同社のDSC-U30をベースに、回転式レンズを搭載した「DSC-U50」。本体は、1枚のアルミ板をプレスして成形する「深絞り」という加工方法により、つなぎ目が少ないのが特徴。価格はオープンで、実売価格は2万9800円

 小さくてシンプル、という2つの要素を徹底的に追求した超コンパクトデジカメ「サイバーショットU」シリーズに、新たに「DSC-U50」がラインアップされた。これは、現在発売中の「DSC-U30」の改良版といえるモデルで、レンズ部が独立して動かせる回転レンズを搭載したのが特徴。ニコン製デジカメの「スイバル機構」に構造が似ており、大きさを除けばニコンのCOOLPIX950などにそっくりである。

 もともとソニーは、レンズ部分が回転する機構を搭載したデジカメを精力的に発売してきたメーカーの1つである。ソニーがこの小さいデジカメに回転レンズを搭載してきたというのは、カメラ付きケータイなどで人気の自分撮りを強く意識した結果なのだろう。

●DSC-U30をベースにレンズを回転式に変更

 ベースとなっているU30とU50を比べてみると、回転レンズを搭載したこともあって本体はやや長くなっているのだが、厚さはずいぶんと薄くなっている。カタログスペックから割り出した体積でいうと、実際にはU50の方が小さいのである。

U30では背面に用意されていた操作ボタンが上部に移動したのが大きな変更点だ。また、U30と比べてかなり横長になったうえ、本体の厚さがかなり薄くなったので、とてもスリムに感じる。なお、200万画素のCCDや視認性の高い1インチの液晶モニターなどは、U30と同じだ

1インチの液晶は見やすく改良されたハイブリッド液晶を採用する。モード切り替えスイッチは、左端が再生、中央が写真撮影になっているが、使用頻度の低い動画撮影モードを中央に配して、スムーズに切り替えられるようにしてほしかった

 その小型化に大きく貢献したのは、記録メディアとしてメモリースティックDuoを採用したことだろう(同こんされるのは8MB)。カメラ付き携帯電話を除けば、デジカメとしては今回初めて採用されるもので、メモリースティックへの変換アダプターも付属する。リリースされて間もないメディアだけに、他のメディアに比べて割高感は否めないのは残念だが、256MBや512MBなどの大容量の製品も発売されることが決定しており、価格以外の不満はそれほどないだろう。

 回転レンズの可動角度は210度で、手前に90度回転させることでモニターを見ながらの自分撮りが可能になる。小さな鏡が付いているU30や他社の製品と比べても、撮りやすさは格段に上だ。レンズは35mm判換算で33mm相当とやや広角気味であるが、もう少し広角域もカバーしていたらもっと便利だろうと感じた。

撮影中や再生中の画面はU30とまったく同じ。情報量はやや少なめだが、カメラの性格からすると十分だろう メニュー画面も基本的にU30と同じだが、新たにホワイトバランスの設定項目が追加されたのが変更点だ

 背面には、視認性の高いハイブリッド液晶を採用しており、ギラギラした太陽が降り注ぐビーチでも見え方に問題は感じられなかった。もちろん、1インチという極小サイズを採用しているため、多少見づらいのは事実。液晶モニターは大きいにこしたことはないのだが、このデジカメのキャラクターを考えればこの大きさが妥当だろう。液晶を大きくするあまり、ボディが大きくなっては意味がないのだ。

●片手持ちでの気軽な撮影はやや難しい

 未使用時はレンズが真上を向いているため、前方向に90度倒した状態が通常の撮影スタイルとなる。真上に向けた部分にはしっかりとしたストッパーがあり、その位置で止めるのは簡単なのだが、それ以外のところにはストッパーがないので、角度は自由になる半面、きっちり90度に固定しようと思っても難しいのだ。せめて、レンズを前方向に向けて90度回した時にも止まってくれるとよいのでは、と感じた。

無段階の回転式に変更されたレンズは、このようにグルリと200度以上回転できる。左が標準的なスタイル、右が自分撮りのスタイルとなる

 前方を撮影する際は、前向き90度の位置から30度倒したところまでが回転の限界となる。ニコンのスイバル機はもっと下向きにできるので、この部分は物足りなさを感じてしまうかもしれない。しかし、被写体を真上から撮影することは実際ほとんどなく、U50のこの角度はテーブルに用意された料理をいすに座ったまま撮影するのにちょうどよい角度といえる。