ケンウッド

HD20GA7

実売価格:4万4800円

発売日:2005年6月30日

このモデルの注目ポイント ライバル機種はズバリこれ!
・デジタルアンプ搭載の高音質設計
・マルチコントロールキーの優れた操作性
・見やすい大型高輝度カラー液晶
・アップルコンピュータ iPod 20GB
・東芝 gigabeat F21

 ケンウッドのHDD内蔵型携帯音楽プレーヤー「HD20GA7」は、最大のセールスポイントが「音質」という、ある意味異色のモデルである。バッテリー持続時間やインターフェースデザインなど、分かりやすい差別化要素では訴求せず、価格もほかと比べて高い。にもかかわらず、あえてオーディオ機器の基本性能で勝負しようというこの姿勢は、果たして現在の市場に通用するのか。その実力のほどを確かめてみた。

操作感のいいメカニカル式コントローラー

 HD20GA7の一番の特徴は、HDD内蔵型の携帯音楽プレーヤーとして、初めてデジタルアンプを搭載したことだ。アナログアンプと比べて消費電力が低く、発熱も抑えられるのが一般的なデジタルアンプの特徴で、まさにデジタルモバイルプレーヤーにうってつけと言える。HD20GA7の場合も、それらの特性は生きているはずだが、何よりその目的は音質向上の一点にある。

 プレーヤー本体のデザインはかなり魅力的だ。2.2型のカラー液晶を載せたHDD内蔵型で、容量は20GBのみというシンプルなバリエーション。本体は塗装仕上げで、ホワイトとブラックの2色から選べる。ホワイトはパールが入っており、ブラックはよく見ると濃いダークブルーという、なかなか渋い設定である。液晶はジャケット画像の表示が可能で、輝度が高く非常に見やすい。ただし、カラー液晶を生かしたフォトビューアーなどの付加機能は持たない。

写真左がブラック、右がホワイトモデル。本体前面の約半分をQVGA(320×240ドット)表示対応の2.2型カラー液晶が占める。操作部分は各キーのエッジが青く光るようになっている

再生画面にはジャケット画像も表示 ジャケット画像は拡大表示もできる

 専用の転送ソフト「Kenwood Media Application」のインストーラーは、プレー ヤー側のHDD内に格納されており、パソコンとの接続時に自動インストールされる仕組み。この転送ソフトには音楽CDのリッピングやエンコード機能はなく、オーディオファイルの転送と、ジャケット画像の関連付けのために用意されたものだ。オーディオファイルはWindows Media Playerなど、ほかのアプリケーションを用いて作成することになる。

 HD20GA7で再生できるオーディオファイルは、MP3、WMA、WAVフォーマットで、ファイルの転送は先のKenwood Media Applicationのほか、Windows Media Player 9/10(以下WMP9/10)でも対応。プレーヤー自身はUSBマスストレージクラスに対応するが、オーディオファイルはこれらのソフトを経由して暗号化されたもの以外は再生できない。そのため必ずこれらのソフトを介して転送する必要がある。DRM(デジタル著作権管理)はWMT形式に対応しており、国内の各種音楽配信サービスに対応する。

専用転送ソフトのKenwood Media Application。プレーヤー側のHDDからインストールされるのがユニーク。エクスプローラ風のシンプルなユーザーインターフェースで分かりやすく、あらかじめ指定したフォルダとの同期転送も可能 ジャケット画像の設定は、まず音楽ファイルをプレーヤーへ転送した後に、パソコン内の画像ファイルと関連付ける。関連付けは1曲単位、あるいはアルバム単位でできる

 操作系は四角い「マルチコントロールキー」を中心に、左上の「電源/メニューキー」と、縦長の「ボリュームコントロールキー」で構成する。すべてはっきりとしたクリック感のあるメカニカル式で、確実な操作感と応答スピードが心地良い。

 マルチコントロールキーには「2Wayスピードサーチキー」という仕組みがあり、浅押し/深押しの2段階操作を受け付ける構造になっている。これでメニューや選曲画面のスクロール速度、早送り/戻しの速さを調整できる。ストロークの深さやクリック感も適切で使いやすい。

 ただし、マルチコントロールキーの機能の割り当ては、画面が変化するたびにコロコロと変わる。これは「操作ガイド」を画面に表示させることで解決できるが、このようなガイドなしでも操作できるメニュー構造であればもっと良かっただろう。

主な操作系は前面パネルに集中しており、片手親指だけで操作できる。各ボタンのエッジ部分にはブルーのイルミネーション、マルチコントロールキーと液晶画面の間には赤い「▼」マークが点灯する。ホールドスイッチは右側面、左側面には主電源スイッチがある 上面には各種接続端子が並ぶ。ACアダプターの入力端子、USB端子、そしてヘッドホン出力。充電に要する時間はACアダプターで約2.5時間、USBバスパワー充電にも対応しており、その場合は約5時間となっている

メインメニューの構成。大容量のHDDプレーヤーとして当然のライブラリ選曲機能を持つ。アーティスト/アルバム/ジャンルで選べるほか、プレイリスト機能もある パワーオン時に電源/メニューキーを押すと、表示中の画面に対応したメニューがポップアップ表示される。再生中ならイコライザー設定やお気に入り登録などの項目が選べる

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