キヤノン

PowerShot TX1

実売価格:4万9800円

発売日:2007年4月19日


このモデルの注目ポイント ライバル機種はズバリこれ!
・小型ながら光学10倍ズームレンズを搭載
・ステンレス素材の美しいボディー
・ハイビジョン画質の動画撮影が可能
・撮影の自由度が高まるバリアングル式液晶
・三洋電機 Xacti DMX-HD2
・松下電器産業 LUMIX DMC-TZ3
・カシオ計算機 EXILIM EX-V7
・ニコン COOLPIX S10

 キヤノンのコンパクトデジカメは、光学3倍程度のズームレンズを搭載したスタイリッシュモデルが中心の「IXY DIGITAL」シリーズと、初心者向けからマニアックなものまでバラエティーに富んだ製品をラインナップする「PowerShot」シリーズの2つに分けられる。今回紹介する「PowerShot TX1」(以下、TX1)は、いままでのキヤノンのコンパクトデジカメにはないデザインを採用した高倍率ズームモデルだ。


動画はMotion JPEG形式のため、ファイルサイズが大きくなる

 ボディーを見ると分かるように、まるでビデオカメラのようなスタイルをしているのが目を引く。PowerShotシリーズだけに、デジタルカメラとして静止画を撮影するのがメインだが、アスペクト比が16:9のHD動画(1280×720ドット、30fps)が撮影できるのも、TX1の大きな特徴のひとつだ。

 もちろん撮影だけではなく、ハイビジョンテレビに接続するためのD端子も備えており、ハイビジョン画質の高精細な動画を大画面で楽しめるのだ。

 ただし、動画の記録フォーマットがMotion JPEG形式のため、短時間の動画でもファイルサイズが大きくなってしまうのが欠点だ。32MBの付属メディアではわずか6秒ほどしか録画できず、1GBの大容量メモリーカードを使っても3分半ほどしか持たない。大容量の記録メディアを用意する必要だけでなく、パソコンへ転送した場合も容量を圧迫するなど、長時間の動画撮影はあまり実用的とはいえないのが残念だ。

縦に握って撮影するスタイルを採用した新シリーズのコンパクトデジカメ「PowerShot TX1」。レンズは光学式手ぶれ補正機構を備えた10倍ズームで、最高390mmの超望遠撮影が可能。写真では大きく感じるかもしれないが、実際ボディーはとても小さい

 シャッターボタンは、静止画用と動画用の2つを用意しており、メニューやダイヤルでモードを切り換えることなく撮影が行える。シャッターボタンの位置は、動画用がカメラを構えた状態で右手の親指、静止画用のボタンは右手人差し指の部分にある。動画撮影用のシャッターボタンがちょっと無理のある位置のように感じるが、その上にあるズームレバーに自然に指が置かれるため、使いづらいとは感じなかった。

 なお、動画を撮影している最中に静止画のシャッターボタンを押せば、その瞬間だけ静止画撮影に切り替わるのが便利だ。ただし、静止画を撮影している間、画面が黒くなって動画と音声が途切れてしまうのはいただけないが…。

バリアングル式の液晶モニターを備えたスタイルは、三洋電機の「Xacti」シリーズとよく似ている。背面のシャッターボタンは動画撮影用で、静止画撮影のシャッターボタンは上部に用意している

 ビデオカメラ風という形状から、液晶モニターは可動式のバリアングル式を採用している。未使用時はボディーと一体化して収納できる構造のため、パネルサイズは一般的なデジカメと比べるとずいぶん小さい。近ごろのコンパクト機は2.5型が主流だが、TX1は1.8型となっている。見た目では、2まわりほど小さいといった感じを受ける。また、液晶モニターのアスペクト比は一般的な4:3なので、16:9で動画を撮影する時には上下が切れてさらに小さい表示になり、細かい部分の確認が難しくなる。

ベストセラーの「IXY DIGITAL 900 IS」(右)と並べると、ボディーサイズがよく分かる。PowerShot TX1のサイズは、初代のIXY DIGITALと同じぐらいに抑えているというから驚き 記録メディアはSDメモリーカードで、SDHCカードにも対応。背面のカバーを開ければアクセスできる。バッテリーはIXY DIGITALシリーズと同じ薄型タイプで、撮影枚数は約160枚と少なめ

 また、電源のオン・オフが液晶モニターの開閉に連動していないため、起動や終了の際は必ず電源ボタンを操作する必要があるのも気になる。三洋電機のXactiでは以前から実現しているだけに、これはぜひ改善してほしい。

 なお、液晶モニターは大きく回転し、ローアングルやハイアングルはもちろん、自分撮りも可能だ。正面に向けた時には上下左右が反転する鏡面表示になるため、アングルを決めやすい。

▼広角端(39mm相当)▼望遠端(390mm相当)
同じ場所から広角端(左)と望遠端(右)で撮影し、10倍ズームレンズの画角の差を比較した。広角側で右下にいる鴨にズームアップすると、羽のきめ細かい模様や頭についた水滴までしっかりと判別できる。望遠側ではブレやすくなるが、感度をオートにしていると、シャッタースピードが焦点距離分の1程度になるよう制御しているようだ(左:ISO80、1/318秒、F5 右:ISO200、1/501秒、F5.6)

 これまでにないスタイルをしているため、ボタンやダイヤルの位置で戸惑うこともあるのだが、キヤノンのコンパクトデジカメの操作系をしっかりと踏襲しており、慣れるのにそう長い時間はかからないだろう。

NEXT 望遠側を広くカバーする光学10倍ズームレンズは便利!