個々の新機能よりも「ワークスタイル」を変革

 マイクロソフト自身、9月29日に開催したOffice 2016の記者説明会では、個々のアプリケーションの新機能ではなく、「モバイルファースト、クラウドファースト」時代における「新しいワークスタイル」「新しいワークライフ」の実現という点を強調していた(関連記事「MSが「Office 2016」発売、クラウドの活用で共同作業を支援」)。新しいOfficeは、Windowsパソコンだけでなく、MacでもWindowsと変わらぬ機能と操作感を実現する。さらにiPhone/iPadをはじめとしたスマートフォンやタブレットにも「Office Mobile」を提供(図2)。これら全てがクラウドを介して連携し、どんな場所でもどのデバイスでも同じOffice文書を閲覧・編集できたり、チームでの共同編集ができたりする点こそが、Office 2016の新機軸というわけだ。

 筆者はパソコン雑誌の編集者という仕事がら、新しいOfficeが登場するたびに、その新機能やユーザーインタフェースの違いをチェックして、記事化にいそしんできた。ただ今回は、その必要性をあまり感じていない。前述の通り、WordやExcelといった各アプリケーションを個人で利用する分には、ユーザーが戸惑いそうな点がほとんど見当たらないからだ。感覚的には、Office XPからOffice 2003へとバージョンアップしたときの印象に近い。逆に言えば、これまでOffice 2013を使っていたユーザーなら、すんなりとOffice 2016を受け入れられるだろう。

 しかしながら、機能面とは別に、ユーザーがきちんと理解しておかなければならないポイントがOffice 2016にはある。それが「ライセンス」の問題だ。

図2●左がWindows 10向けのWord Mobile、右はiPhone向けのWord Mobile。マルチデバイス対応が新しいOfficeのウリだが、商用目的で使う場合はライセンスに注意が必要だ
[画像のクリックで拡大表示]