米料理界のアカデミー賞と称される「ジェームズ・ビアード賞」を受賞するなど、「全米一のパン屋」との呼び声が高い米タルティーン ベーカリー&カフェ。早ければ今春にも日本に上陸するとされていたが、その計画が今年6月に入って延期されたことが話題になっている。当初予定されていた東京・代官山の商業施設への出店が白紙撤回され、別の場所への出店を前提に仕切り直しとなったのだ。

 情勢が大きく変わったのは今年2月。サードウェーブコーヒーの旗手として知られる米ブルーボトルコーヒーが、タルティーンの出店先に同居する形で、コーヒースタンドスタイルの日本3号店を出すことを発表した。さらに4月に入り、ブルーボトルがタルティーンを買収。両店のコラボレーションを強化する前提で、「理想の店舗はどうあるべきか」との議論が水面下で進められ、代官山への出店を取りやめることが決まった。

 ブルーボトルとタルティーンが目指している「理想の店舗」とは、いったいどのような姿なのか。サンフランシスコの街角にある小さなパン屋が、なぜ海外進出の最初の舞台に日本を選んだのか。そして、延期となった日本進出はいつになるのか――。タルティーン創業者で腕利きのパン職人として知られるチャド・ロバートソン氏と、ブルーボトル創業者でCEO(最高経営責任者)のジェームス・フリーマン氏に聞いた。

米タルティーン ベーカリー&カフェ創業者のチャド・ロバートソン氏(写真右)と、米ブルーボトルコーヒー創業者でCEO(最高経営責任者)のジェームス・フリーマン氏(写真左)。旧知の二人がそろってインタビューに応じることは珍しい(写真/三川ゆき江、以下同)