音楽出版社もマネジメント事業へ

 3月25日に発売されたファーストアルバム『HAPPY』が、オリコンウィークリーチャートで2位を記録した大原櫻子。ギター片手に歌う彼女は、昨今、話題を集める「ギター女子」の代表的アーティストの一人だ。

大原櫻子。ファーストアルバム『HAPPY』がオリコンウィークリーチャート2位に
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 大原櫻子が所属するのは、音楽出版社のフジパシフィックミュージック。同社にとって、大原櫻子は初めてマネジメントを手掛けたアーティストとなる。

 音楽出版社の主たる業務は、契約する作詞家や作曲家がつくった著作権の管理。管理している曲がCDなどの音楽ソフトに録音されたり、テレビやラジオ、イベントで流れたり、カラオケで歌われたりすると、使用料が日本音楽著作権協会(JASRAC)などの著作権管理団体に入る。それが音楽出版社に分配された後、作詞家や作曲家に分配される。

フジパシフィックミュージック社長・上原徹氏
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 音楽ソフトが売れなくなれば、音楽出版社にも大きな影響が出る。現在の音楽ソフトの売り上げはピーク時の半分。単純に考えれば、音楽出版社の手数料収入も半分になっているのだ。

 ライブは、音楽出版社にとっても大きな収入源にはならない。得られる収入は、基本的にはライブで歌われた楽曲の使用料だけだ。

 「レコードやCDが売れなくなっていくなか、著作権も落ちていく。音楽出版社も360度ビジネスを展開して、一人のアーティストが生み出す音楽のすべてを管理する必要があると考えた」(フジパシフィックミュージック社長の上原徹氏)

 大原櫻子は、4月20日から福岡、名古屋、大阪、東京を巡る初めてのコンサートツアーを実施した。全会場ともチケットはソールドアウト。福岡のコンサートは、ファンクラブでのチケット販売時点で収容人数を超える申し込みがあったため、より大きな会場へと変更した。またコンサートグッズは、定番のTシャツやタオルから、ネイルシールといった変わった品まで用意し、売り上げも好調だという。この成功を受けて、早くも秋にコンサートツアーを開くことが決定した。

初のコンサートツアーは、各会場とも即完売に
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 大原櫻子の成功をうけ、フジパシフィックミュージックは、さらにアーティストを増やしていく計画だ。

 「もともと楽曲を管理し、作詞家や作曲家をマネジメントしてきた会社。タレントというよりは、アーティストやシンガーを手掛けていきたい。まだ作家と呼べるレベルではないが、大原櫻子も曲を書き始めている。楽曲を軸とした、360度ビジネスをより強化していきたい」(上原氏)