ワーナーミュージックが、お笑い芸人をマネジメント?

 マネジメント機能を持たないレコード会社は、これまでの業務を続けるだけでは運営が厳しくなるが、決して手をこまねくばかりではない。ワーナーミュージック・ジャパンは、アーティスト契約を結ぶ際、ライブやファンクラブ、グッズ販売から生じる収益からも配分を受ける“360度契約”が主流になっているという。

 では、同社がマネジメント業務の新会社を立ち上げた理由はどこにあるのか。ワーナーミュージックエージェンシー取締役の竹本現氏は、「CDの売り上げが下がったから、ライブに力を注ぐわけではない。音楽という土台があるうちに、もう一つの土台を作りたいという思いが強い」と語る。

 実はワーナーミュージック・ジャパンは、ウルフルズやBONNIE PINKなどが所属する音楽事務所「タイスケ」の株式の70%を07年に取得。アーティストのマネジメント業務にも関わってきた。

 ワーナーミュージックエージェンシーでも、当然ミュージシャンやクリエーターをマネジメントするが、これまでとの大きな違いは、タレントやお笑い芸人など音楽以外の分野にも広げる点だ。竹本氏は、このセクションのリーダーを務める。

音楽アーティストでは、KGの所属が発表された
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 「我々は、さまざま媒体で音楽をプロモーションしてきた。しかし近年、音楽だけを扱う番組やメディアは減っており、例えばバラエティ要素の強い音楽番組などでは『トークがうまい人いない?』『YouTuberのようなネットで面白い人いない?』というようなニーズを聞く機会も増えてきた。音楽以外も求められるのであれば、そこにも打って出ていこうと考えた」(竹本氏)

 それを表すように、第1弾の所属アーティストとして発表されたのは、6秒動画アプリ「Vine(ヴァイン)」で人気の「森 祐介(もりすけ)」だ。動画の中では変顔や女装までを披露し、投稿動画の総再生回数は2億回を突破した。

レーベル第一弾アーティストのもりすけ。投稿動画の総再生回数は2億回を突破している。https://vine.co/u/1026534303066361856
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 彼自身をテレビや雑誌などを通じて売り出すことは、想像に難くない。さらに、「いまYouTubeで音楽を聴く人が増えているが、YouTubeでは音楽と映像がセットになっている。もりすけをプロモーションPVに出演させるといった活用も、ワーナーならできる」(竹本氏)。

 12年には、お笑い芸人・鉄拳のパラパラ漫画が、ワーナーミュージックに所属する英国のロックバンド「MUSE」の楽曲のプロモーションPVに採用された。「グローバルネットワークを持っている点は、他社と比べてアドバンテージになる。数回のプレゼンテーションで各国のワーナーミュージックのヘッドとプランを共有できるので、洋楽アーティストとのコラボレーションも可能だ」と、竹本氏は語る。

弁護士ドットコム社長で、テレビ番組にも多数出演する元榮太一郎(もとえたいちろう)氏も、ワーナーミュージックエージェンシーへの所属が決まった
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ワーナーミュージックエージェンシー取締役・竹本現氏
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