がんや糖尿病の研究を助ける「リサーチキット」も発表

 さらにアップルは、医学研究をサポートするオープンソース・フレームワーク「Research Kit(リサーチキット)」も発表した。これは医者や科学者が病気の症例データなどを、iPhoneシリーズを用いてより頻繁にかつ正確に集められるようにするアプリの開発キットだ。すでに各大学や医療機関により、ぜんそくや乳がん、心血管疾患、糖尿病などの研究をサポートするアプリが開発されており、本日から提供されるという。

医学研究をサポートするオープンソース・フレームワーク「Research Kit(リサーチキット)」も発表された
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 例えばパーキンソン病用アプリの場合、患者がiPhoneの画面をタッチしたり、マイクを使って声を発したり、加速度計を使って歩行状況を計測するなどして各種データを計測。これらのデータをiPhone経由でネットワーク送信することで、自宅にいながらにして検査を受けることができる。

パーキンソン病の研究に用いられる「Parkinson mPower」アプリの画面
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 大学病院などに赴いて検査を受けるのは決して楽ではないが、これを利用することで、より頻繁に病気の進行状況などを把握することができる。もちろんiPhoneで血液検査などができるわけではないので、その可能性は限定的だ。しかし病院外でも行えるようなテストをアプリに任せることによって、患者の負担も医療機関の負担も抑えながら医療研究を進められるというのは大きなメリットになる可能性がある。

 リサーチキットはオープンソースで提供されるため、今後日本の医療機関でも採用が進む可能性がある。新しいMacBookやApple Watchといった製品だけでなく、こうした取り組みの今後にも注目したい。

(文/安蔵 靖志=IT・家電ジャーナリスト)