【鹿野カメラマン:第2位】シグマ「dp2 Quattro」

 2月の発表だったのでインパクトはやや薄らいでいるが、今年もっとも度肝を抜かれたカメラはシグマのQuattroシリーズではないだろうか。広角の1、標準の2、中望遠の3というラインナップは従来のままだが、大文字だったDPの名称が小文字のdpに。そして何よりその奇抜なデザインは、カメラの常識を打ち破るものだ。横長のボディーに、後ろへせり出したグリップ。既成概念を打ち破る奇抜なデザインは、実はハードウェア的に必然性があって実現したもので、使ってみると意外に手になじむ。

特徴的なスタイルがいまだに新鮮に感じるシグマの「dp2 Quattro」。実勢価格は9万5000円前後
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 6月に2、続いて10月に1が発売され、僕も両方使っている。そのため、どちらを買えばいいですか?という質問を受けることも多い(Merrillの頃からだけど)。両者の違いは焦点距離だけなので、本人の作風やテーマが分かればアドバイスできる場合もあるが、結局は自分の好みで選ぶしかないと思う。

 僕の用途としては、1も2も完全に趣味のアイテム。それなりに大きいだけに両方持ち出すのも難しく、結局どちらかを使うことになるのだが、大抵は標準の2を選んでいる。45mm相当という画角は目の前の空間をそのまま切り取るような感覚で、僕の好みにマッチしている。というわけで、あえてどちらかを推すとすれば2ということになる。

 描写に関しては今さら説明不要かもしれないが、解像力・再現力・表現力すべてにおいて、これを超えられるのは業務用の中判デジタルカメラくらいではないかと思う。それだけに1の強い遠近感も捨てがたいところ。1と2の描写を比較すると、1はキレ味が鋭く、2は繊細な印象。風景やスナップでダイナミックな表現を期待するなら1を選ぶのもいい。さらに、近々に3も登場するはず。今年はQuattroだけでなく交換レンズでも攻めの姿勢が目立ったシグマだが、来年も目が離せなくなりそうだ。

街歩きをして見つけたワンシーン。ちなみに街角で撮影していると「それは何の機械ですか?」と聞かれることが多い(ISO100、1/200秒、F4)
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