キヤノンのミラーレス一眼「EOS M」シリーズに、純正の望遠ズームレンズがお目見え。シリーズ全体の評価を高めるであろうレンズの実力をチェックしてみた
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 先日、連載記事「キヤノン『EOS M2』、遅咲きの人気を後押しする3つの要因」で紹介したとおり、キヤノンのミラーレス一眼「EOS M2」の人気がじわりと上昇している。販売価格の下落とキャッシュバックの実施で買い得感が高まったのが大きな要因だが、この8月に待望の望遠ズームレンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」が登場したことも理由の1つとして挙げられる。35mm判で88~320mm相当をカバーするレンズだ。


EOS Mシリーズ用の望遠ズームレンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」。レンズの太さは標準ズームレンズやパンケーキレンズと合わせている。レンズ単体モデルの実勢価格は3万9000円前後
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 入門者向けのミラーレス一眼やデジタル一眼レフにとって、標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本は売れ筋のダブルズームキットを構成するにあたって欠かせない存在といえる。EOS Mシリーズは、初代モデルと同時に標準ズームレンズと単焦点のパンケーキレンズを投入し、ひと足遅れて広角ズームレンズを投入したが、望遠ズームレンズはなかなか登場しなかった。初代モデルの発売から2年近くが経ち、ようやくのお目見えとなったわけだ。同時に、EOS M2にダブルズームレンズキットを設定し、ようやくスタートラインに立ったという感じだ。

 この望遠ズームレンズだが、長らく待たされただけあって、描写性能はなかなかという印象を受けた。圧縮効果など望遠ならではの撮影手法も使え、すでにEOS Mを使いこなしている人も新鮮な気持ちで使える1本となっている。

320mm相当までカバーする割に小さく軽い。描写性能も合格点

 撮影前に目を引いたのが、コンパクトな設計だ。重量は約260gと、EOS Kissシリーズに付属する望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm F4-5.6 IS II」の約390gと比べると2/3ほどの重量だ。全長も86.5mmと短いので、ボディーにレンズを付けたままでも軽々と持ち歩け、カバンにも容易に収納できる。EOS M2のボディーに装着した際の総重量は約534gで、EOS Kiss X7+望遠ズームの約797gと比べると250g以上も軽い。望遠側のズームレンジが短くなっていることや、開放F値がひとまわり暗くなっているのは気になるものの、このコンパクトさならば納得できる。

 実際に撮影してみると、精細感のある画質で撮影できた。解像感の求められるビルなどの人工物も、しっかりとシャープに描写してくれた。望遠側で周辺部の描写が若干甘くなる傾向が見られたが、この大きさを考えれば納得できる。レンズ一体型の高倍率ズームデジカメにはもう戻れない…と思わせる画質だ。

屋外のテーブルに並べられたフルーツを撮影。精細感も十分で、色ものっぺりすることなくリアルに描いている(160mm相当、ISO125、1/125秒、F5.0)
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望遠端で目抜き通りを撮影。明暗差の大きなシーンだが、遠くの様子もしっかりと描写しているのはお見事(320mm相当、ISO400、1/250秒、F6.3)
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飲食店の店頭に掲げられた黒板。こちらも明暗差が大きいが、白飛びや黒つぶれを抑えて見た目通りに撮れた(160mm相当、ISO100、1/200秒、F7.1)
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高層ビルのバルコニー。四隅は解像感の低下がいくぶん見られるものの、全体の解像感は高い(320mm相当、ISO100、1/400秒、F8.0)
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望遠端で坂を下るケーブルカーを撮影。圧縮効果が働き、急坂を目前にしたような描写になった(320mm相当、ISO100、1/320秒、F7.1)
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