おすすめは「エントリー機」「867Mbps以上」

 11acに対応する無線LANルーターは、アンテナを3本以上搭載し1300Mbps以上で通信できるハイエンドモデル、価格が6000円台〜1万円前半とお値打ちで最大867Mbps通信に対応するエントリーモデル、最高速度は433Mbpsと低速だが低価格で購入できるローエンドモデル、小型で持ち運びに優れ旅先などで便利なコンパクトモデルの4種類に分類できる。おすすめはエントリーモデルだ。

 無線LANルーターを選ぶには、まず11acの最大通信速度を気にしたい。ほとんどの11ac対応パソコンの通信速度が最大867Mbpsなので、11acの速さを感じたければ最低でも最大867Mbpsに対応したエントリーモデル以上を選ぶべきだろう。エントリーモデルには、無線LANルーター機能のみに絞って機能を省いた低価格機種から、簡易NAS機能やQoS(後述)などハイエンドモデルとほぼ同等の機能を備えた機種まで、製品の選択肢は広い。

 もし、11nで最高速度300Mbpsの無線LANルーターから買い換えを検討しているなら、既存の11n機器のことも考慮して11acルーターを選びたい。11acのローエンドモデルの場合、11nの最大通信速度が150Mbpsと遅い。これはアンテナの本数が1本と少ないためだ。アンテナを2本以上備える最大867Mbpsのエントリーモデル以上の11acルーターであれば、11nの最高速度も300Mbps以上となる。

 なお最近は、ホテルの部屋にインターネット回線が有線LANで常備されていることが多い。だが、有線LANには、スマートフォンやタブレットなどを接続できない。そのような場面で便利なのが、コンパクトモデルの11ac対応無線LANルーターだ。有線LANにルーターを取り付けると、ホテルのインターネット回線を無線LANに変換できる。無線LANルーターの電源はUSB端子から給電する仕組みなので、パソコンのUSB端子やスマホ充電用のUSB電源アダプターに接続すれば良い。ルーターのために、わざわざ電源アダプターを持ち歩く必要が無いので便利だ。

2.4GHz帯と5GHz帯が同時利用できない機種もある

 上記に挙げたコンパクトモデルは、ほとんどの製品が2.4GHz帯と5GHz帯の同時利用ができない。この場合、11acを利用している時は、5GHz帯の11nやIEEE802.11aの無線LAN機器しか接続できない。2.4GHz帯の11nやIEEE802.11gを使うにはスイッチによる切換が必要だ。だが、切り替えると今度は5GHz帯の11acや11n、IEEE802.11aの機器が使えなくなる。

 安価や古いパソコンやスマートフォン、タブレットなどは5GHz帯に対応していない製品も多い。また、Wi-Fi内蔵のカメラやゲーム機などのほとんどが5GHz帯を利用できない。それらの機器と11ac機器を旅先で同時に使う時は困るので注意しよう。コンパクトタイプでも、アイ・オー・データ機器の「WN-AC583TRK」のように、2.4GHzと5GHzを同時利用できる製品もあるので、2.4GHzと5GHzの機器が混在しているのであればそれを選ぼう。

 一方、ハイエンドモデルの11ac対応ルーターは、高速CPUを搭載している製品が多い。ルーターの処理速度が速いと、WAN側とLAN側で通信ポートを変換するポートマッピングやセキュリティーフィルターを有効にした時などルーターに負荷がかかる処理が高速となり、通信ロスを防げる。また処理速度が速いと、接続台数が増えても通信速度が低下しにくい。最大1300Mbps対応の11ac機器を持っていなくても、高速通信を求めたり、無線LANに接続する端末の台数が多い場合は、ハイエンドモデルがおすすめだ。

11acに対応する家庭向け無線LANルーターの価格をグラフにした。アンテナを3本以上搭載するハイエンドモデルは1万円前半から3万円弱と製品はさまざま。一方、最大867Mbpsのエントリーモデルは6000円~1万円前半で購入できる。ローエンドモデルは、旧世代やコンパクトとほぼ同価格だ
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コンパクトタイプは、手の平サイズで持ちはこびやすい。USB端子から給電できるので、電源はスマホの充電機があれば良い
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