オーダーメイドだから急ピッチの出店が可能!?

 同店でシューズを購入する場合、ざっと以下のような流れになる。

 1)3D計測器で足の詳細なデータを取得
 店内に設置されている医療用3D計測器で足のサイズと形を計測する。

 2)シューズのタイプを決めてオーダー
 用意された木型の中から計測したデータに合ったものを選び、シューズを作るセミオーダー方式。足長は21.5cmから26cmまで(0.5cm刻み)、幅はS、M、Lの3種類。デザイン(カラー・素材)は17型(型によってヒール高が異なる)あり、販売員が足型に合ったものを選んでくれる。ただし左右の足のサイズが異なる場合でも現時点では左右同じサイズとなり、中敷きなどで調整している。

 3)約3週間で自宅にシューズが届く
 シューズは完成後、直接自宅に配送される。届いた靴が足に合わなかった場合は、未使用で2週間以内なら返品可能。店舗に持ち込めば、ある程度調整することも可能だそうだ。

 自宅配送のため、ショッピング後に手ぶらで帰れる点も好評。一度ショップで足のサイズと形を計測すれば、そのデータを基にオンラインショップで注文することも可能だ。そのため、近くにショップがない場合はいちいち来店しなくても靴がオーダーできる。

 また2014年春にオープンした4店は、完全予約制のサロン(当日予約も可)。落ち着いた空間で時間をかけてじっくり選べることや、最初に名刺を渡した販売員が最後までマンツーマンで完全接客する点が人気だという。

 実はこうしたシステムは経営側にもメリットが多く、急ピッチで出店できる要因にもなっている。シューフィッターの資格を得るには、靴の販売、製造など靴に関連する仕事での3年以上の実務経験が必要。資格取得に向けた研修受講も必要で、受験から合格までの期間も長い。だが3D計測器は操作そのものは簡単なので、入社したその日から正確な計測が可能。だから急スピードの出店にも対応可能なのだ。

 また多くの靴の中から自分の足に合うものを探す一般のシューズショップの業態だと、非常に多くの在庫が必要で、広い売り場と広さに比例した数のスタッフも必要になる。しかしオーダーメイドならデザインサンプルを置くスペースと接客スペースがあればいいため、内装費や設備費も抑えられる。路面店である必要もないので、賃貸料も抑えられる。完全予約制のサロンであれば、スタッフも最小限で済むので人件費も抑えられる。これも出店のハードルを低くしている要因のひとつだ。

 さらにオーダーメイドで自分の足に合った靴が買えることで、一般のシューズショップよりはるかにリピート率が高い。「履き心地が気に入った靴を色違いで3~4足買い求める方や、デザイン違いでオーダーする方も少なくない。『今まで自分の足に合う靴がなかったので、全デザインそろえたい』とおっしゃる方もいる」(キビラ 商品マーケティング本部 プレスチーム マネージャー 柳澤亜衣氏)。履き心地が気に入った客によるクチコミ効果も高く、宣伝費をかけなくても顧客がどんどん増えるという。

サロン型のショップ店内(池袋東口店)。お茶を飲みながらゆったりと計測やデザイン選びができると好評
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サイズは足長21.5cmから26cmまで、幅はS、M、Lの3種類から選べ、デザインは17型(型によってヒール高が異なる)、カラー・素材は17種類から選べる
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7センチヒールで一番人気の色はピンクベージュ。「肌になじむ色なので服を選ばない」とのこと
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シューズのアクセサリーも豊富にそろえている(全体で約35種類/990円~3500円)。仕事中はシンプルなパンプスで、アフターファイブやプライベートではアクセサリーでデザインを変える人が多い
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