近年、苦戦を強いられるテレビ番組も多いなか、快進撃を続けるバラエティ番組がある。フジテレビ系列で毎週木曜日、深夜11時から放送されている「アウト×デラックス」だ。2013年4月にレギュラー番組としてスタートしたこの番組、11時台の放送にもかかわらず視聴率10%を連発するなど、安定した人気を誇っている。その人気の秘密に迫った。

“アウト”な出演者が共感を呼ぶ

 毎週、木曜深夜の11時から30分間放送されている「アウト×デラックス」。司会のナインティナインの矢部浩之とマツコ・デラックスが、プロアマを問わず“アウト”な側面をもつ人物とともにトークをしながら、彼らの意外なパーソナリティを浮き彫りにする。

 アウトとは、世の中の常識からは外れたダメな部分のある人間のこと。例えば「働きたくない」と公言する俳優・坂上忍、「酔うと別人格になり、いろいろとしてしまう」女優・高橋ひとみ、「マイペースすぎる将棋界の異端児」棋士・加藤一二三、「カブトムシへの愛情が深いアイドル」、その名もカブトムシゆかり……など、“アウト軍団”と呼ばれるレギュラー出演者が自身の“素”をさらけ出すことで再ブレイクを果たすなど、異色の人々を発掘する番組として反響が大きい。

 こうした十数人のレギュラー出演者に加え、新しく発掘した“アウトな人”が毎週登場。アウト軍団も交えながら、世の常識では収まりきらないトークが展開する。俳優の斎藤工さんが登場した回では「若い俳優やミュージシャンが中目黒で集まって飲む感じがムカつく」、映画監督の園子温さんが登場した回では「芸人としてR-1で優勝したい」「17歳で家出し、その日に出会った女性と心中しそうになった」といった意外な発言が脚光を浴びた。

 好調の理由を同番組の演出を担当するディレクターの鈴木善貴氏は「視聴者は作り物の笑いに辟易(へきえき)しているのではないか」と分析する。「作りものでない、ホンモノの人間の持つパーソナリティに興味や魅力を感じてもらうのが番組の狙い」という。

 一見すると負の要素とも取れる部分を出演者が臆面もなく表現することも、視聴者に小気味よく映っているようだ。

 高橋ひとみは「秘密を暴露して楽になった。番組が面白く取り上げてくれることで楽しんでくれる方がいるし、これでいいんだと思えるようになった」という。アウトな部分を含めた素の自分をさらけ出すことで出演者自身が自由を感じ、それを見た視聴者が生き方に共感する。出演者と視聴者がWin-Winになる心地良さが、視聴者から受け入れられているのかもしれない。

フジテレビ「アウト×デラックス」は毎週木曜日深夜11時~11時30分放送。矢部浩之(ナインティナイン)とマツコ・デラックスがゲストの「アウト」な一面を引き出す
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