アップルの「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」の発売日が9月19日に迫ってきた。予約件数は過去最高の水準で推移しているといい、早くも高い人気を獲得していることがうかがえる。「コンパクトな本体は扱いやすいが、さすがに画面が小さくて寂しい」と感じていた従来機種のユーザーが、待ってましたとばかりに予約に走っているようだ。

2014年9月19日に販売を開始するアップルの「iPhone 6」(左)と「iPhone 6 Plus」(右)。国内の3大キャリアすべてで取り扱われるほか、アップルストアではSIMフリー版も販売される
[画像のクリックで拡大表示]
歴代のiPhoneシリーズとの比較。4型液晶のiPhone 5c(右から2番目)と比べると、5.5型のiPhone 6 Plus(左端)や4.7型のiPhone 6(左から2番目)は数字の違い以上に画面が大きくなったことが分かる
[画像のクリックで拡大表示]

 発表会場に展示されていたiPhone 6/6 Plusをもとにしたファーストインプレッションの記事「【iPhone 6実機レビュー】丸みを帯びた本体は持ちやすい、液晶画面にも驚き」を先日掲載した。さらに今回、短期間ながら実機を試用するチャンスに恵まれ、発表会ではあまり詳しく語られなかった機能追加や改良がしっかりと施されていたことが分かった。多くの人が重要視するカメラ機能を中心に、想定外の進化を見せたiPhone 6/6 Plusの魅力をチェックしていきたい。

オートフォーカスの仕組みを一新、動画撮影時のぶれも効果的に抑制

 利用頻度が高くスマホ自体の評価をも左右するカメラ機能は、どん欲ともいえるほど大幅に強化されていた。従来からある機能の改良に加え、いくつかの新機能も盛り込まれており、デジタル一眼をも超えたと感じさせる部分が少なくない。

 基本的な部分では、「Focus Pixels」と呼ばれる新技術の投入により、オートフォーカス性能が大幅に向上ことが挙げられる。詳細は明かされていないが、昨今のコンパクトデジカメやデジタル一眼で採用が進む「像面位相差AF」と同等の技術だとみられる。実際にさまざまなシーンで撮影したところ、コントラストAF特有の「合焦直前にフォーカスが前後する現象」がほとんどなく、位相差AFと同様に無駄なくスッと高速にピントが合うことが体感できた。特に顔検出機能の精度が高いようで、人物の顔があると食らいつくようにピントを合わせ続ける。

従来よりもオートフォーカスを高速化する「Focus Pixels」が搭載された。発表会で示された撮像素子と思われるグラフィックスを見る限り、対になったAFセンサーを撮像素子内に組み込んだ「像面位相差AF」を採用しているとみられる
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、動画撮影時の電子手ぶれ補正機能の効果が高まり、歩きながらの撮影で見られる不快な揺れが大幅に軽減した。小刻みな揺れを効率的に軽減してくれるので、カメラ全体が大きく動く揺れをできるだけ防ぐように留意すれば、まるでスタビライザーを装着しているかのように安定した動画撮影ができる。前述のオートフォーカスの改良と合わせ、動画撮影のクオリティーや実用性は格段に高まったと感じる。

スキップする女の子を小走りしながら撮影。iPhoneはかなりガタガタと揺れていたにもかかわらず、動画は揺れが抑えられているのが分かる。後半は撮影者の息が上がって手が大きく動いたため、揺れを補正し切れずに動画が乱れてしまった