修正や再利用には難あり? エクセル方眼紙の弱点

 最初に全体の枠組みを決めず、ある程度成り行きで作っていけるというのも重要なポイントだ。仮に印刷する用紙サイズを超えてしまっても、拡大縮小印刷の機能で、自動的に1ページに収まるサイズに縮小して印刷できる。

 各種の配布書類を、普及率の高いエクセルのファイルで作成する例も多い。実際に官公庁が配布している申請書などの様式にも、方眼紙形式のファイルが含まれている(図4)。PDFで提供される書類も、元はエクセルで作成されたものも多い。

図4 官公庁が公開している各種書類や申請書の様式などにも、方眼紙がベースになっているものがある。エクセルのファイル形式ならば、多くのユーザーが閲覧・印刷できる(画面は国土交通省が配布している書類の例。この例ではセル幅を正方形よりも小さくして、より細かいレイアウトをしている)
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 一方で、エクセル方眼紙に対して、一部には批判的な意見もあることを認識しておこう。セル結合を多用した複雑なワークシートは修正や再利用が難しく、特にほかの人が作成した文書を修正するのはかなりの手間となる。また、エクセルはレイアウトツールではないという批判もあるが、使う人自身が操作できる手持ちのツールの中で、エクセルが最適であるのなら臆することなく使えばよい。

 方眼紙に限らず、複雑に作り込まれた文書に、作成者以外が後から手を加えるのは難しい。本人が責任を持って作り直せる場合以外は、むしろ再利用するのはあきらめて、使い捨てにする書類の作成にだけ方眼紙を利用する、と割り切るのも一つの考え方だ。

 専用のレイアウトツールを利用したほうがよいのも事実だが、そのツールがない場合は購入する必要がある。また、慣れの問題も大きい。新たにツールの使い方を学ばなくても使い慣れたエクセルで、手軽に作ってしまえるのであれば、それは効率的といえる。

 ただし、方眼紙を使わないほうが良い書類もある(後編に掲載する「コラム」参照)。方眼紙に適さない書類を作成してしまうと、無駄な手間ばかりかかって効率が落ちる。また、セルの幅が異なる表を上下に並べるのならば、方眼紙よりも効率的な手法がある(後編に掲載する「応用編」参照)。方眼紙の長所・短所を理解した上で、いろいろなワザをマスターして使いこなしてほしい。

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