2013年末に発覚した食材偽装問題で有名になった「バナメイエビ」。高級食材のシバエビとは対照的に、安価なエビの象徴として記憶に残っている人も多いだろう。そのバナメイエビの価格が世界的に高騰している。

 最大の原因はバナメイエビの主要養殖地である東南アジアを中心に、数年前からウイルス性の病気がまん延していること。タイの2013年の養殖エビ生産量は2012年の約半分にまで落ち込んでいるほどだ。さらにここ数年、欧米や中国ではエビの消費量が激増。世界的なエビの争奪戦となって高騰しているのだ。

 そんななか、なぜか低価格でカジュアルなエビ料理専門店が次々にオープン。2013年10月に「シュリンプバンク」(池袋)、11月に「海麦酒(エビアー)」(茅場町)、2014年1月に「YAESU海老バル」(東京駅)、2014年3月には丼1杯分に甘エビ50尾を使用した「海老そば専門店 築地 えび金」(築地)といった具合で、いずれも好調だという。

 例えば築地 えび金は開店工事中にも問い合わせが相次ぎ、プレオープン時から長い行列ができるという反響の大きさに関係者も驚いているという。「当初、築地で働く人をターゲットに早朝から営業していたが、一般の方の来店があまりに多いため、5月から土曜日以外の営業時間をランチと夜に変更した」(雨宮俊夫店長)というほどだ。

 エビ料理専門店といえば、これまでは高級路線の業態がほとんど。エビの価格が高騰している今、なぜ低価格のエビ料理専門店が増えているのか。

「シュリンプバンク」では「オマール海老の刺身」(税込み1800円)を注文すると爪をボイルして自家製タルタルソースをかけて出し、海老の頭は味噌汁にして提供するサービスが人気。「オマールエビの最大の魅力は歯ごたえがよく甘味の強い爪。火を通すとさらに甘みが増すので、ボイルが最高においしい」(同店)という
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2013年11月にオープンした「海麦酒(エビアー)」の看板食材であるウチワエビ。全国的にメジャーではないため築地でもめったに入荷されないが、甘くて身がしっかり噛みごたえがあり、味では伊勢エビに勝るといわれている
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12種類のエビを使ったエビ料理が約40種類もある「YAESU海老バル」の人気メニュー「赤海老マヨ(4尾)」(税込み680円)
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