「Don't Think, Just Shoot(考えるな、とにかく撮れ!)」をモットーとし、主にトイカメラといわれるジャンルのユニークな製品を投入している「ロモ」が、約170年も前に発売されたレンズを復刻した。それが、今回紹介する「Lomography X Zenit New Petzval Art Lens」(以下、ペッツバール)だ。

キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X」に取り付けたところ。鏡筒は真ちゅう製で、遠目でもかなり目立つ。絞りは、上部のスリットに穴の開いた鉄板を差し込むことで変更する。ピントは、レンズの下部にあるツマミを回すことで調整する仕組みだ。価格は、キヤノンEFマウント用とニコンFマウント用がともに6万6651円(無塗装のゴールドモデル)。ブラックモデルはともに7万7966円
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 この製品は、成り立ち自体もユニークだ。19世紀に設計されたレンズをニコンFマウント用とキヤノンEFマウント用にアレンジし、現代のデジタル一眼レフによみがえらせようと企画されたもので、ネット上で出資者を募る「クラウドファンディング」で多くの出資者から賛同を得て今回の生産に至った経緯がある。ロモグラフィー社の製品だが、生産はロシアのカメラメーカーであるゼニット社が手がける。

 170年前の復刻レンズだと聞いて届くのを楽しみにしていたが、セットの豪華さに驚かされた。専用の化粧箱の紐を外して蓋を開けると、ペッツバールで撮影された美しい写真集が顔を出す。途中に折り返し部分があり、それ以降は製品の取扱説明書になっている。

 写真集を取り出すと、ブランド品さながらのギャランティーカードが現れ、その下にレンズが収納されている。レンズの鏡筒は真ちゅうの削り出しによるもので、手にするとずっしりとした重量と仕上げの美しさにはっとさせられる。フードやレンズキャップも真ちゅう製で、外すときにもしっとりとしたトルクを感じる作りになっている。セットには、ロゴ入りのクリーニングクロスや裏革のレンズケースも入っており、満足感を高める演出に余念がない。

パッケージ一式。真ちゅう製のフードやレンズキャップが標準で付属するだけでなく、革製のレンズケースも付属する
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