前回掲載した「富士フイルム『FUJIFILM X-T1』、注目の操作性や画質は期待通りか?」に続き、今回も富士フイルムの最新ミラーレス一眼「FUJIFILM X-T1」の実力をチェックしていきたい。今回は、撮影性能や画質の高さで定評のあるシリーズの売れ筋モデル「FUJIFILM X-E2」との比較を含め、詳しく見ていこう。

クラシックな一眼レフカメラ似のスタイルを採用した、富士フイルムの高性能ミラーレス一眼「FUJIFILM X-T1」。標準ズームレンズが付属するレンズキットの実勢価格は16万2000円前後
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シリーズ伝統のスリムデザインを採用する高性能ミラーレス一眼「FUJIFILM X-E2」。標準ズームレンズが付属するレンズキットの実勢価格は12万8000円前後
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X-T1のファインダーは像の大きさや精細さだけでなく、タイムラグの少なさも優れる

 X-T1は、クラシックな一眼レフカメラ似のデザインが魅力的だが、高性能デジタル一眼レフに負けないファインダーの視認性や使い勝手、高速連写をはじめとしたレスポンスなど、性能の高さも注目できる。

 特に魅力的なのが、電子ビューファインダー(EVF)の性能だ。EVFは、両者ともアイセンサーを備えた236万ドットの有機ELパネル(0.5型)を採用する。だが、それぞれ接眼光学系が異なり、X-T1はX-E2と比べてふた周りほど像が大きく見える。T1のファインダー倍率は0.77倍。現行のデジタル一眼レフで最大の倍率(約0.76倍)を誇るキヤノンの「EOS-1D X」と比較してみたが、T1の方がわずかながら像が大きかったことにも驚かされた。

X-T1の電子ビューファインダーは、接眼部の光学設計を工夫することで、像の大きさと周辺部までクリアな表示を両立した
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X-E2の電子ビューファインダー。表示ドット数はX-T1と同じだが、接眼部の光学設計は異なる
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 ただ、ライブビューの枠外に表示されるホワイトバランスや残り撮影枚数などの情報は、使われているフォントの関係もあって、かなり小さい。あくまでも撮影に集中させる意図だと思うが、もう少し大きな表示に切り替えられるモードが用意されていてもいいと感じた。

 像の大きさ以外に進化したなと感じたのが、表示のタイムラグの少なさだ。素通しの構造でタイムラグがない一眼レフカメラの光学ファインダーと比べ、電子ビューファインダーは電子的な画像処理を経たうえでの表示になるため、実像と比べてわずかながら時間差が生じる。ミラーレス一眼では避けられない問題だ。

 この点においても、X-T1はX-E2と比べて大きな進化を見せている。X-T1のEVFのタイムラグはわずか0.005秒で、X-E2を含む従来モデルの約1/10にまで短縮した。カメラに向かって手を振るような動作をした場合、手を振るタイミングがワンテンポ遅れて見えるX-E2に対し、X-T1はほぼ肉眼と同じタイミングで見え、動きの差を感じさせない。これまでのEVFの概念を覆す表示性能だと感じた。

 オートフォーカスが働いている際は、像の解像度が一瞬だけ低下したり、コマが落ちてカクカクした見え方になる。センサーからの映像信号を、ライブビュー表示用とオートフォーカス解析用の両方で利用しているために起こる現象なのかもしれない。

 オートフォーカスの速度は、特に速いなと感じさせないものの、ストレスを感じないレベルに仕上がっている。E2と比べると、若干ではあるが高速化していると実感した。ただ、コンティニュアスAFモードでは被写体が静止していても、絶えずジリジリとフォーカスが駆動している様子がうかがえ、多くのデジタル一眼レフと比べて挙動に不安定さが感じられた。

 秒間8コマに引き上げられた高速連写性能も目を引く。JPEGでは最大47コマまで撮影でき、低速連写モードの秒間3コマであればカード容量いっぱいまで撮影が続けられる。この性能を助けているのが、現在デジタルカメラで唯一のUHS-II規格のSDXCメモリーカードへの対応だ。ある程度の高速メモリーカードを使えば連写速度そのものは変わらないのだが、連写したあとカードへのデータ記録が早く終了するため、次のシャッターチャンスに対応しやすくなったのが魅力だ。

 実際、東芝のUHS-II対応SDXCメモリーカード「EXCERIA PRO 16GB」(書き込み240MB/秒)と、サンディスクのUHS-I対応SDXCメモリーカード「Extreme Pro 16GB」(書き込み95MB/秒)を使って比較してみた。記録モードは容量が一番大きい「RAW+FINE」で、ドライブモードは「CH」だ。3回の手動計測の結果、UHS-II対応カードではバッファ詰まりまでに24枚の連写ができたのに対し、UHS-Iでは23枚と、ほとんど差が見られない。だが、バッファ開放までの時間はUHS-IIが9秒で済んだのに対し、UHS-Iが13秒と、待ち時間のストレスがずいぶんと軽減されるのが分かった。