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 米国海軍特殊部隊ネイビーシールズは、グリーンベレーやデルタフォースなど数ある米国特殊部隊のなかで、もっとも歴史が古い部隊だ。

 2年半におよぶ過酷な訓練に耐え抜いて隊員に慣れるのは、海軍の兵士の中でわずか0.5%のエリートのみ。まさに精鋭中の精鋭である彼らにとって、部隊創設以来最悪の惨事として記憶に留められているのが2005年6月に行われたタリバンのリーダー狙撃を目標とするレッドウイング作戦だ。

 4人のメンバーがアフガニスタンの山岳地帯でタリバンを偵察する。それはごく普通のミッションのはずだったが、あるアクシデントにより状況は一変。200人のタリバンに4人のシールズが追われる形になり、激しい銃撃戦の末にシールズは、1人、また1人と命を落としていく。そうしたなか、ただ1人生き延びたのが、2014年3月21日公開の映画『ローン・サバイバー』の原作者でもあるマーカス・ラトレル氏だ。

 「映画化に当たり、ハリウッド化されている箇所がまったくないとは言わない。しかし、あの山で起きたことが、ほぼ正確に描かれていると思っていただいて問題ない」と当時を振り返るラトレル氏。映画公開を前に、レッドウイング作戦のことや、そのときの心境などについてインタビューできた。

マーカス・ラトレル
1999年3月にアメリカ海軍に入隊し2002年1月に戦闘訓練を受けてシールズ隊員となる。2年間イラクで過ごしたあと、2005年1月にアフガニスタンに派遣。レッドウイング作戦と命名された極秘任務に参加し3人のシールズと救出ヘリに乗り込んでいた16人の仲間を失った。その後、奇跡の生還を果たしたラトレルは、自身の体験をもとに『アフガン、たった一人の生還』を執筆。チームワーク、不屈の闘志、近代戦についての驚くべき記録であると同時に、山を下りられなかった友人と仲間たちへの鎮魂歌でもあるこの本はニューヨークタイムズ紙のノンフィクション部門のベストセラーリストで第1位に輝いた。
 レッドウイング作戦での負傷から回復後、再びイラクに派遣され、2006年に海軍十字章を受章。2007年春に一等兵曹として退役した。2010年にはレッドウイング作戦で命を落とした同志たちに敬意を表し、ローン・サバイバー財団を設立。米軍兵士とその家族に、教育・リハビリ・復帰・健康の機会を提供する活動を行っている。
 また新刊『Service: A Navy SEAL at War』では米軍が関わる戦場における服務の実態と、祖国と同胞を守るために命を捧げた兵士たちを描いている。