北欧では当たり前! スタンディングスタイルにもなるデスクが口コミでブームに

自分の仕事スタイルにあわせて高くしたり、座れる高さに変えられるSit&Standデスク。ヨーロッパでは、話をしたいときには立ちスタイルにして、集中して何かをまとめたい時には座る高さにする人が多い
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 さまざまな健康障害を招く可能性のある座りっぱなし症候群は企業にとっても大きな問題。そこで、企業が対策として導入しはじめているのが、スタンディングスタイルのデスクだ。なかでもIT先進国、スウェーデン生まれのデスク「Sit&Standデスク」が話題になっている。これは、使う人の身長や仕事スタイルに合わせて、ワンタッチ(電動式)で高さを70~120cmの間で調整できるデスク。

 「日本国内で販売を開始したのは2002年。エコノミー症候群が問題になり、IT企業の増加にともなってオフィス環境が注目されるようになったここ数年、日本でも知られるようになりました」と、Sit&Standデスクの販売総代理店スカンジナビアン モダンの岡部登紀子代表取締役は話す。

 Sit&Standデスクは、1970年代に、腰痛で悩む24時間体制の電話交換手の要望によって、エリクソンとスウェーデン国営電話会社が合弁会社を設立して開発されたデスクが始まり。その後、医療機器として販売され、90年代に人間工学に基づいた生産性を高める高機能デスクとして注目されるようになった。現在では、スウェーデン国内の全企業の約75%がこのデスクを導入している(北欧大手什器メーカーEdsbyn社調べ)ほど、スウェーデンではスタンダードな仕事スタイルとなっているそうだ。その評判は米国に広がり、グーグルやフェイスブックなどシリコンバレーに拠点を持つ企業が導入するようになって全米でも話題になった。

デスクの端にあるスイッチを押すだけで、毎秒40~50mmで昇降する。デスク自体は耐荷重100kg。昇降は音も静かでスムーズ
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Sit&Standデスク:天板は幅120~200cm、白樺/オーク/白黒ラミネート仕上、2万9400円~。電動フレームはスチール・クロムメッキ仕上げ、電動昇降は70~120cmまで、24万3600円~、ケーブルトレイ1万3650円
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 人気の秘密は、立ったり座ったり、働く時の姿勢を自由に変えられるということ。立ったり座ったりを定期的に繰り返すことで腰部のリンパ液の流れが改善され、酸素量の多い血液が脳に活発に流れるようになる。その結果、眠気も覚め、集中力が増して仕事の効率がアップするからだ。

 玉川大学工学部、阿久津正大教授が、座位や立位を可変して作業を続けることで変化する作業パフォーマンスについて実験したところ、座りっぱなしの作業、立ちっぱなしの作業に比べて、座ったり立ったりして作業を続けた人のほうが、作業パフォーマンスが上がるという結果が出た。

 日本では、2011年頃より海外を訪れたビジネスパーソンからの問い合わせが増え、口コミで広がり、「2013年度の売上は前年比140%にまでなりました」と岡部さんは話す。現在は、京都大学、東京大学、エリクソンやボルボテクノロジー・ジャパンをはじめ、IT系企業などが導入し、ひそかなブームになりつつある。

 最近腰痛が気になる、肩こりがひどい、疲れやすいなどの不調を持つ人は、まずは1時間座ったら少しの間立ったり歩いたりすることを習慣にするといい。どうしても座り仕事が多くなるなら、高さが変えられるデスクを取り入れてみるのもいいだろう。体調も良くなり、仕事の効率もアップするなら試してみる価値はある。

(文/広瀬敬代)