2013年も、各社からさまざまなデジタルカメラが登場した。低価格コンパクトデジカメは元気がなかったものの、レンズや撮像素子の性能を高めた高級コンパクトデジカメや、レンズ交換式のデジタル一眼は機能や装備に特徴のある製品が多数登場し、写真ファンのハートをわしづかみにしたモノも少なくない。そこで、各社の新製品を試用する機会の多いカメラマンに、2013年でもっとも高い評価を与えた3台を厳選してもらった。今回は、落合憲弘カメラマンと吉村 永カメラマンの2名のベストチョイスを紹介しよう。

【落合カメラマン:第1位】ニコン「Df」

 ノスタルジアを感じさせるよう演出された操作系とか外観には、正直あまり興味はない。とかナンとかいいつつ、いざ手に入れてからは、フィルム時代のプロストをつけてみたり、たまたま手放さないでいたマニュアルのAiニッコール 50mm F1.2SとかAiニッコール 45mm F2.8Pをつけて喜んでいたりと、あんがい絵に描いたような郷愁野郎になっている面があってちょっぴり赤面。でも、実際に購入に走らせた要因が「いろんな顔を持っている君を知っているんだよ~♪」なんて歌いたくなってしまうDfの独特なキャラクターにあったのはホントのハナシ。ワタシがDfを買ったのは、メカニカルダイヤルの操作が嬉しかったからじゃないんである。

ニコン「Df」。専用デザインの単焦点レンズが付属する「50mm f/1.8G Special Editionキット」の実勢価格は30万円前後だが、主要なカメラ量販店では品切れとなっており、入荷予定は2014年2月下旬としている
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 「いろんな顔」のうちのひとつは、いうまでもなくフィルム時代の一眼レフを思い起こさせるスタイルと操作系を持つデジタル一眼レフであるところ。ここ、Df最大のウリでもある。ただ、前述の通り、その点は個人的にはほとんど響いてこなかった。最初に製品写真を見たときは「おおっ!」ってなったのだが、実物を見てボディーの分厚さにテンションがダダ下がり。「コレジャナーイ!」って感じになっちゃったのだ。

 でも、「D4+D800+D600=Df」といった風情のスペックには大きな魅力を感じることとなった。とりわけ「D4と同じセンサーを搭載している」ところにググッときた。D4というカメラにはさほど魅力を感じていなかったワタシも、実をいうとD4が積んでいるセンサーには興味津々…というか、D4を実際に使ってみた経験から、ぜひAF-S 28-300mm F3.5-5.6G ED VRとの組み合わせで“便利に常用したい”と思っていたのだ。でも、便利ズームを使うためだけにD4を買うっていう行為の実行には、さすがのワタシにも躊躇するものがあり、幸か不幸かこれまで実現には至らず。それが半額以下のボディーでできるようになったということで、Dfを購入した次第。なんだかやっぱりヘソ曲がりだわな。

 というワケで、この先、万が一金田一「D610のボディーにD4のセンサーを搭載したD770(仮称)」なるものが登場するとなると、ちょっと悔しいかも。いや、躊躇することなく買い換えちゃいそうだ。要するに、ワタシの中でのDfのポジションってのはそんなもの…ってコトなのだが、このサイズ、この軽さでD4センサーが使えることの魅力はとてつもなく大きいと感じたということで、第1位に選出なのであります。

躊躇なく高感度が使えるのがイイ。超高感度画質は、同じセンサーを搭載するD4と同等、もしくはわずかに良くなっている印象だ(Ai45mm F2.8P使用、1/60秒、F2.8、ISOオート(ISO4500)、-1露出補正、ホワイトバランス:晴天)
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