2013年10月の終わり、ニコンのWebサイトであるムービーが公開された。謎のカメラが登場し、“Pure Photography”というコピーが踊るそれは、ネット上で大いに話題を呼んだ。全6本からなる構成で、謎のカメラは徐々に姿を現していったが、4本目のムービーからは「11月5日を待て」というメッセージが終盤に登場し、世界中のカメラファンをヤキモキさせたのは記憶に新しい。そして約束の日に登場したのが、ニコンのデジタル一眼レフカメラ「Df」だったわけだ。

ニコンが2013年11月28日に発売した「Df」。実勢価格は、ボディー単体モデルが27万8000円前後、単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G(Special Edition)」が付属するSpecial Editionキットが30万円前後
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 Dfを見て「ついに求めていたカメラが出た!」と思ったのは私だけではないだろう。日常的に持ち歩けるコンパクトなサイズで、見やすい視野率100%の光学ファインダーを持ち、描写が豊かなフルサイズのセンサーを搭載したカメラ! しかも、マニュアル操作がしやすいダイヤルインターフェースとあっては、マニュアル露出オンリーのニコンのフィルム一眼レフカメラ「FM」で写真を始めた自分にとってうってつけである。すぐさま、ヨドバシ・ドット・コムで予約を入れたのは言うまでもない。

 発売日までは、ニコンプラザ銀座で実機を手に取ったり、品川で開催された体験イベント「Nikon Digital Live 2013」に出向いて、Dfの生みの親であるニコンフェローの後藤哲朗氏の講演を聞いたあと、会場で直接話をうかがったりとワクワクしながら過ごした。

 そして、ついにDfが到着する日がやってきた。発売前日に撮影から家に戻ると、不在配達票がポストに入っているのを発見! 「差出人:ヨドバシ・ドット・コム」の文字を見つけてすぐさま郵便局に取りに行こうとしたが、「当日配達分は23時以降の窓口受け取り」ということでお預け状態に…。悶々としながら時計をにらみ、免許証と印鑑を持って郵便局にフライング気味に行き、晴れてDfを受け取ったのであった。いそいそと帰宅して、日付が変わるちょっと前に黒い箱を開けて自分のDfとご対面したわけである。早速、同こんの「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)」を装着して手に持つ。「軽い!」――これが、マイDfへのファーストコンタクトとなった。

ニコンDfは、同社のフラッグシップ機「D4」のセンサーを、懐かしいデザインのボディーとダイヤル式インターフェースで包み込んだデジタル一眼レフカメラだ。昔からニコンのカメラを使っていた手にはすんなりと馴染むフォルムで、ボディーの各部に散りばめられた過去の名機へのオマージュは決してデザインだけでなく、使いやすさをしっかりと持っているところが心憎い
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