銀座のコリドー街にオープンした「近畿大学水産研究所 銀座店」。オープンキッチンの厨房で刺し身にされるマグロやブリの近大卒業魚
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日本初! 大学運営の「養殖魚専門店」に、なぜ長蛇の列!? 

 2013年12月4日、銀座のコリドー街に「近畿大学水産研究所 銀座店」という、一風変わった名前の料理店がオープンする。近畿大学水産研究所が世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロ「近大マグロ」を中心とする、養殖魚専門料理店だ。近大マグロを全身くまなく利用した料理や、マダイ、シマアジ、ブリ、カンパチ、ヒラメ、クエなどの近大水産研究所で養殖した魚のメニューを中心に提供。客単価はディナーで5000~6000円程度を想定しているという。

「本マグロと選抜鮮魚のお造り盛り」(2800円)。近大マグロの刺し身は、赤身でも一般的なマグロの中トロと同じくらい脂がのっていて、質感が均一で、筋をまったく感じない。また生マグロ独特の粘り気、香りもあり、非常に美味だった。ハマチは、押し返すような強力な弾力があるのに歯切れがよく、平目とともに初めて味わう食感だった
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近大産養殖魚を中心に、魚のプロである水産研究所のスタッフ、飲食店運営経験の豊富なサントリー系列の会社ダイナック、地産食品を提供する和歌山県、近畿大学農学部食品栄養学科に所属する学生などがコラボして開発したメニューを提供。「平目うす造り」(950円)、「鰤のカツレツ 粗刻み山葵ソース」(1100円)、ランチタイムに提供される「近大マグロと選抜鮮魚のお刺身ご膳」(2400円)
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 1号店「近畿大学水産研究所 大阪店」は2013年4月、一足先にオープンしているが、連日、開店前に長い行列ができているという。これは予約席と当日席を半々で設定しているが、毎月、早い段階で予約席が埋まってしまい、当日席を求める人が殺到するためだ。銀座店は11月25日から予約を開始しているが、予約開始とほぼ同時に12月中の予約席が満席になった。席数は大阪店(98席)の半分程度なので、開店前の「当日席争い」は、大阪店よりもさらに熾烈になりそうだ。

 近畿大学といえば、在学生数が3万人以上(2013年5月調べ)の日本有数の規模を持つ私立総合大学。教育機関である近畿大学がなぜ、魚の養殖という異業種に乗り出したのか。またなぜ、大学が専門料理店を直営しているのか。そしてその店に、これほど客が殺到している理由は何なのか。

2013年4月26日、大阪の新名所「グランフロント大阪」に出店した1号店。開店前には連日、当日席を求める長い行列ができている
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