なぜ激安で提供できるのか?

 フォアグラは人工的に肥育させたガチョウや鴨の肝臓。価格が高いのは、特殊な飼育法のために非常に手間と時間を要し、餌代や人件費がかかるためだ。健康的に育てようとすると一般的なフォアグラよりも2倍くらい飼育日数がかかり、そのぶん価格は高くなる。逆にいうと手間を省いて短い期間で作れば、価格をある程度抑えることも可能な食材であり、品質による価格の差が大きい食材ということになる。状態の悪いフォアグラだとレバーのような香りしかしなかったり、何を食べているか分からない食感になったりする場合もあるそうだ。

 またフォアグラはほぼ脂肪でできている部位なので、デリケートな調理が必要。強火で調理すると脂が溶け出してしまったり、生の状態で放置しても部分的に溶けてしまったりする。そのため、調理人の人件費もかかるのだという。では低価格で提供している飲食店では、どのようにして価格を抑えているのか。

 フォアグラバル アジルジョーヌで使用しているフォアグラは、本店で提供しているのと同じフランス・ランド地方の最高級品だという。なぜそんなフォアグラを低価格で提供できるかというと、本店でのフォアグラ使用量が多く年間でまとまった量を取り寄せられることや、本店オーナーと生産農家の長年にわたる信頼関係が大きいそうだ。

 東京プリンスホテルのフォアグラ食べ放題プランの場合は、同ホテルがプリンスホテル系列のため、系列ホテル全体での使用量を年間分で仕入れて集中購買できる。またホテルにはフレンチレストランがあり、結婚式のメニューでもフォアグラが登場する機会が多いため、フォアグラ調理の経験が豊富な料理人が多いことも、ブッフェで大量の提供が可能な理由だそうだ。

東京プリンスホテルのブッフェレストラン「ポルト」の「秋の味覚ディナーブッフェ」では、シェフが目の前の鉄板で焼いて提供する「フォアグラのソテー」が人気
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