この記事は「日経デザイン 11月号」(10月24日発売)から転載したものです。内容は基本的に執筆時点のものとなります。

 発売前は「中国市場向けの廉価版」と見られていたiPhone 5c。しかし、実際に触れて見ると、樹脂特有の安っぽさは全くない。今回は、その作り方の秘密に迫る。

 多くの人がプラスチックに対して抱く偏見に、真っ向から挑んだデザイン。iPhone 5cの特徴を簡単に言い表すと、そんな表現が当てはまる。

 持つと、しっとりと手に吸い付くように感じる手触り。本体をポケットに入れるときのなめらかに滑り落ちる感覚。そして、光を当てて反射させて見ても、ほとんどゆがみを確認できない表面。そこにプラスチック製品が持つネガティブな要素は見当たらない。

 今回はアップルのiPhone 5cを、東京大学生産技術研究所の山中俊治・教授や外装設計に詳しい技術者とともに分解。樹脂の常識を覆したモノ作りの工夫に迫った。

むき立ての卵のようにつややかな表面を持つiPhone 5c
金型の磨きと成形方法に配慮することで全くゆがみがないつややかな表面を実現。静電塗装で全体にクリアコートを均一に施した