「大衆酒場」というと値段が安くて気軽に立ち寄れる居酒屋のイメージがある。しかし、古くからの大衆酒場は長年の常連客も多く、女性や一見客にはハードルが高い。

 その一方で、ここ最近人気を得て急拡大しているのが“ネオ大衆酒場”だ。良心的な価格と気軽な雰囲気はそのままに、従来の居酒屋メニューのほか、工夫を凝らした料理を盛り込んで若者からお年寄りまで幅広い層に支持を受けている。

「餃子とビールは文化です」

 東京・杉並の永福町駅前に2013年7月にオープンした「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」はその名の通り、餃子が看板の居酒屋だ。昔ながらの大衆酒場を彷彿させる紺地に白抜きの暖簾をくぐると、餃子を焼く香ばしい香りに包まれた。かつては青果店だった建物は梁や柱に年輪が刻まれ、懐かしい雰囲気を醸している。それでいて、白を基調にした店内は明るく清潔感がある。

「餃子とビールは文化です」と書かれた外壁がひと際目立つ、永福町駅前の「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」。昼間は昼酒を楽しむお年寄りや主婦層のランチなど、1日中活気にあふれている
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梁や柱に年季を感じ、大衆酒場の雰囲気。カウンター席もあるが、テーブル席がメイン
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 この店の餃子は、全粒粉を使ったもちもちとした皮の中に粗挽きの豚肉のあんがぎっしり包まれている。その名の通り、口に含むと小籠包のように肉汁が口の中で広がるのがウリだ。小ぶりのサイズだが、重量感があり食べごたえは十分。たれをつけなくてもしっかり味がついているので、ご飯のおかずにもいい。

 「幅広い年齢の人が気軽に足を運べる店を作りたいと考えたとき、餃子とビールのコンビは誰にでも好まれるメニューだと思った。しかし餃子専門店では客層が限られる。そこでより多くの人の好まれるように餃子を主力に居酒屋メニューも盛り込んだ。餃子=大衆という位置づけなので、店舗も昔ながらの大衆酒場をモチーフにしている」(同店を運営するNATTY SWANKYの井石 裕二社長)という。

「肉汁餃子」(6個460円)は口に含むと肉汁が口の中で広がり、全粒粉を使ったもちもちの皮はかむほどに味がある
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餃子は店舗で手作りしている
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