“知る人ぞ知る店”というイメージを維持するための店舗数の限界は?

 ビジネスモデルという点から見ると、大山氏は「県外の人間がやっていることも成功の要因として大きい」という。地元の産物を地元の人が都会で売ろうとすると直営店舗が必要になり、初期費用がかかる。しかし都会の会社が販売を担当していることで、それほど経済的な負荷をかけずに営業できているという。

 ただこうした業態は地元に協力者がいないと難しい。同社の場合はそれができたが「他社がこうしたビジネスモデルを真似しようとしても、簡単にはいかないのでは」(大山氏)。

 現在の生産ラインで300店舗までは対応可能。最終的には300~500店までにしたいが、それ以上は増やしたくないという。「知る人ぞ知る存在の店というイメージを維持するためにはそれくらいが限界。導入店からも『あまり増やさないでほしい』という要望が多い」(大山氏)。淡路島カレーの導入店は大きな看板を出している店もあるが、ランチメニューだけでひっそりと提供している店も多い。

 また店舗数が増えると淡路島の生産現場を見たことがない人が担当するなどし、味がブレるリスクが高くなることも懸念材料だという。「そこをビジネスの仕組みで解決できないかと考えている。チェーン店は50店舗、100店舗が壁になり、伸び悩むところが多い。そこをスピード感をもって乗り越えたい」(大山氏)。

 従来のフランチャイズ方式はプロのノウハウが手に入る代わりに、独自のカラーを全て捨てなければならなかった。淡路島カレーのビジネスモデルは個性派カレーのノウハウが入手でき、店の個性も出せるという“いいとこ取り”。そこが導入店を増やしている理由だろう。

 さらにトッピングは自由なので、それぞれの店が個性を出しやすいのもポイント。そんなところが、導入店舗数が増えてもあまり飽きられず、“知る人ぞ知る個性派カレー”としての鮮度を保ち続けられる理由かもしれない。

自由が丘のティールーム「hyphen」のランチで提供している淡路島カレー(淡路島ビーンズカレー)。「カレーなら毎日でもいい」というほどカレー好きの家人は「3段階かどうかはわからないけど、たしかに複雑な味がして、クセになりそう!」とベタ褒めだった
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「hyphen」入口の看板に淡路島カレーの表示はなく、ランチメニューのひとつとして出ていたので、予備知識がなければ「この店のオリジナルカレー」だと思ったはず。その場合、「カレーにもこだわりを持っている店」として、店のイメージアップにつながったと思うし、それが店側の狙いでもあるのだろう
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(文/桑原恵美子)