すごくおいしいというほどではないけれど、ボリュームのわりに価格が安い“庶民の味方”……そんなイメージの食パンに今、異変が起こっている。

「金の食パン」以降、続々発売される“高級食パンサンドイッチ”

 きっかけは2013年4月に発売された、セブン&アイ・ホールディングスの高級食パン「金の食パン」が爆発的にヒットしたこと。スーパーで売られている1斤6枚入りの食パンは、PB製品で100~120円、有名ブランドの食パンでも150円前後。これに対し「金の食パン」は250円と、有名ブランドの食パンよりさらに100円ほど高い。にもかかわらず発売直後からバカ売れして、発売から2カ月間の販売累計は720万食。それ以降、高級食パンを使ったサンドイッチがコンビニで続々発売されているのだ。

 ファミリーマートでは2013年7月16日から、「ファミマ プレミアムサンド」を発売。価格は280~360円と、通常販売のサンドイッチ(「ジューシーハムサンド」250円)と比較するとやや高め。だが独自開発の耳の部分までやわらかな専用食パンを使用し、具だくさんに仕上げていることから特に女性に人気が高く、当初予想の3倍の売り上げ。現在は約6500店舗での販売だが、今後、発売地域を拡大していくという。

 またローソンは2013年7月9日から、具材にこだわり既存の人気商品「ミックスサンド」をより上質にした「ローソン プレミアムミックス」を全店で発売。「30~40代の男性によく売れていて、計画を上回る販売数。前年を大きく上回っているサンドイッチカテゴリー全体の売り上げ向上に寄与している」(ローソン)という。

「ファミマ プレミアムサンド」。左から「ツナ野菜ミックスサンド」(280円)、「たまごとハムのサンド」(280円)、「テリヤキチキンとたまごのサンド」(360円)。一番人気は「たまごとハムのサンド」だという
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「ローソン プレミアムミックス」(340円)。奥までぎっしり具材を入れた高級感のあるサンドイッチ。中央層には全粒粉のパンを使用
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2斤で840円の高級食パン!? 「セントル・ザ・ベーカリー」とは

 このように高級食パンの人気が高まる中、2013年6月21日、銀座に、高級食パン専門店「セントル・ザ・ベーカリー」がオープン。2斤で735~840円と「金の食パン」のさらに1.5倍という高価格だが、持ち帰り用とカフェ用を合わせて2斤サイズのパンを1日に少ない日でも200本、通常300本から400本は焼いていて、売り上げ全体の7~8割以上を持ち帰り用の食パンが占めているという。

 ブランド食パンの3倍もする食パンが、なぜそれほど売れているのか。普通の食パンと、いったいどこが違うのか。

高級食パン専門店「セントル・ザ・ベーカリー」のショップ。「売り上げ全体の7~8割以上を、持ち帰り用の食パンが占めている」といい、取材中も客脚が途絶えなかった
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