日本から比較的近く、気候も良いことがあり、かねてよりシニア層の移住先として人気が高かったマレーシア。しかし、最近は、子育て世代である家族連れが移住するケースが少しずつ増えているという。マレーシアの魅力はなんといっても、マレー系、華人、インド系と、文化/宗教の違う三民族が住み、さらに数多くの外国人を受け入れている多様性にある。そうした多言語環境で国際感覚豊かな子供を育てたいという狙いがあるのだ。

世界でたくましく生きるには、留学は小学生から

 花岡めうみさんは、英国の名門校である「マルボロ・カレッジ」のアジア分校に6歳の長女を通わせている。同校は、英国のウィリアム王子と結婚したキャサリン妃の母校として知られている。花岡さんがマレーシアに移住したのは2012年7月。サラリーマンのご主人を東京に残し、当時5歳と3歳の女の子を二人連れての母子移住だった。現在、首都クアラルンプールに次ぐ第二の都市、ジョホール・バルのコンドミニアムに住む。

 父親を東京に残したまま、しかも小学生二人を連れての移住となると、いろいろ大変だろうと容易に想像できるが、なぜ決意したのだろうか。

花岡めうみさん一家はジョホール・バルに来てまだ1年未満。母子留学のサポート事業で起業した。後から来る人に情報を発信していきたいと話す
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 「私自身、高校時代に10カ月間、アメリカの公立高校への留学を経験しました。日本に戻って、上智大学の比較文化学科に入学しましたが、英語の課題を出すのに、帰国子女の同級生にはとてもかないません。睡眠時間を削って勉強する日々でした。だから子どもの英語教育も、高校生からでも何とかなるかなと思う半面、どんなに頑張ってもある程度以上は伸びないという限界を知っていました」

 花岡さんは、自分の子どもには世界のどこでもたくましく生きてほしいと願っている。子どもが3歳のころから東京で英語を使う保育園に通わせていたが、小学校は海外のインターナショナルスクールに行かせたいと考えていた。

 「母子留学が前提で、ハワイやフィリピンのセブ島など、いろいろ探しました。ほとんどセブに決めかけていたころに、マレーシアでマルボロ・カレッジがオープンするという情報を聞いて飛びついたんです。1期生なら入りやすい。これだ、と」

 2012年2月に下見に訪れ、一週間で即断した。長女は無事、マルボロ・カレッジの試験に合格。下の子は現地の幼稚園に通う。クラスの人数は18人で、うち日本人は3人。シンガポールから通ってくる駐在員の子供も多いという。

 いま、ジョホール・バルに滞在する日本人の母子留学組は20組ほどで、この夏からどんどん増える予定。花岡さんはこうした親子のサポート事業で起業した。

 「マレーシアは現在、インフレが進んでおり、移住するにはそれなりのお金が必要です。生活費は親子3人で月に15万~20万円ほどが平均の金額でしょうか。このほかに学費がかかります。また、入学にはある程度の英語力が必須で、最近では試験に通らないお子さんが増えています。現地に来て、まずはローカルのインターナショナルスクールに入り、英語力を身につけてから挑戦する方法もあると思います」と話す。