KDDIは2013年7月19日、海底ケーブル敷設保守船「KDDIオーシャンリンク」の見学会を実施した。いまや、世界各国との通信をするうえで欠かすことのできない、世界中に張り巡らされている“海底ケーブル”の現状と、それを保守・管理する同船の仕組みについて説明された。

世界中に張り巡らされた海底ケーブルを守る

 「KDDIオーシャンリンク」は、日本と海外とでさまざまな通信をするために張り巡らされている海底ケーブルを、敷設したり修理したりする専用船。インターネットを活用し、世界中の情報を手軽に得られるようになったのも、世界中に張り巡らされた海底ケーブルが国と国とをつないでおり、それをしっかりメンテナンスする人達がいるからこそなのだ。

 KDDIの国際ネットワーク部 グループリーダーである原田 健氏によると、1990年前半ごろまでは、衛星を用いた通信と海底ケーブルを用いた通信が両方利用されていたという。だがその後、安定した通信が可能な光ファイバーが海底ケーブルに用いられるようになったことで大容量化が進み、大容量通信は海底ケーブルが主流となる一方、ケーブルを敷設できない地域の通信や放送を衛星が担うなど、両者の棲み分けが進んだのだという。

 海底ケーブルは世界各地に多数存在するが、KDDIは千葉県の千倉から太平洋を経由して米国に接続する「Unity」と、千倉から香港やシンガポール方面に接続する「SJC」、そしてロシアのロステレコムと共同で、新潟県の直江津からナホトカを経由し、さらに地上のケーブル網を通してヨーロッパに接続するケーブル網などを持つ。なかでもUnityとSJCは、日本をハブとして東南アジアから米国をほぼ最短のルートで結ぶケーブルになるとのことだ。

 海底ケーブルを保守する船は、世界中で40数隻あるとのことで、KDDIオーシャンリンクはそのうちの1隻となる。この船を所有しているKDDIの100%子会社、国際ケーブル・シップ(以下、KCS)の取締役総務企画部長の木本氏将氏によると、KDDIオーシャンリンクは日本近海や太平洋を含む“横浜ゾーン”と呼ばれるエリアを保守する船で、保守範囲のケーブルの長さは、総延長9万kmにも達するそうだ。

海底ケーブルの保守専用に作られた「KDDIオーシャンリンク」
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1990年代から光ケーブルを用いたことで、海底ケーブルの通信容量が増大。それまで衛星通信と同じ役割を担ってきたが、現在は国をまたいだ大容量通信の主役となっている
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KDDIは米国、アジア、ヨーロッパと北半球を広くカバーする光ネットワークを保有。「Unity」と「SJC」を用いれば、東南アジアから北米をほぼ最短で結ぶことができるという
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