海底ケーブルが損傷する主因は“地震”と“漁労”

 ケーブルを保守する修理船は、海底ケーブルに何らかの障害が発生したら、消防車などと同様に24時間365日いつでも出動するのだという。ちなみに、ケーブルの損傷原因として多いのは“地震”と“漁労”だという。後者は、漁船の漁業活動のことだ。

 KDDIオーシャンリンクの保守範囲で、地震による破損は太平洋側や台湾沖に多いようだ。地震が発生すると、瞬間的な力で堅ろうなケーブルが一瞬にして切れてしまうほか、地すべりによる損傷も起きやすいという。

 2011年3月の東日本大震災の際は、7つのケーブルシステムで20数か所のケーブルが同時に破損し、3~4カ月にわたって修理したとのこと。ちなみにこの時には、幸いUnityが切断から免れたことから、修理中も我々の国際通信環境には大きな影響が起きなかったそうだ。

 一方、漁労による損傷が多いのは、中国船が多く漁業をしている東シナ海だ。具体的には、船舶のアンカー(錨)や底引き網などによってケーブルが損傷する。こうした問題に対処するため、2000mより浅い場所にケーブルを敷設する際は、海底から3m以上埋めて保護するほか、ケーブル付近に漁船が入らないよう、警戒を発する船を出しているのだという。

 ちなみに、1回の修理にかかる期間はおよそ2~3週間とのこと。出動回数は年に10回前後あるそうで、船員は陸上より海上で過ごす時間の方が長いという。

ケーブル障害が多く発生しやすいのは、地震の多い太平洋沖と台湾沖、そして中国での漁業が盛んな東シナ海になるという
[画像のクリックで拡大表示]
中国近海での障害修理時に回収された、漁船のものと見られるアンカー。中国沖では、漁船による損傷が発生しやすいとのこと
[画像のクリックで拡大表示]
地震によるケーブルの断線例。丈夫に作られたケーブルも、地震の力では一瞬で切れてしまう
[画像のクリックで拡大表示]
東日本大震災の時は、7つのケーブルシステムで、20数か所にわたる損傷が発生したという
[画像のクリックで拡大表示]