Windows時代突入で消滅へ…ロータス1-2-3の開発費用はなかった!?

 だが、そのロータス1-2-3も、Windows時代の到来とともにマイクロソフトが積極的なマーケティング施策を繰り返したこともあり、表計算ソフト市場を「Excel」が席巻する一方で市場シェアを減少。徐々に存在感が薄れてきた。このとき、マイクロソフトでは、「コンペチティブアップグレード」という手法を初めて採用。ロータス1-2-3のユーザーに対して、破格のキャンペーン価格でExcelを販売するという当時としては異例の移行戦略などを展開した。

 1995年にはIBMがロータスを買収し、その後はIBMがロータス1-2-3の開発、販売を継続。日本においては、2003年に、ソースネクストがIBMからOEMを受ける形で、1980円と破格でロータス1-2-3を販売。入門用表計算ソフトとして販売されるといった動きもあった。

 だが、IBMでは、Windows Vista対応のロータス1-2-3の開発は行わず、その後は消滅する方向へと進んでいった。IBMにとってはロータス買収の狙いはロータス1-2-3よりも、グループウエアの「Notes/Domino」の方だったともいえ、事業再編のなかで、ロータス1-2-3への開発投資が凍結されたという構図だ。

 なお、ロータス1-2-3の全世界累計出荷本数は500万本以上とされている。

 古くからのPCユーザーや、MS-DOS時代からビジネスシーンでPCを活用していたユーザーにとっては、ロータス1-2-3は懐かしい製品のひとつだろう。黄色いパッケージカラーが印象に残っている人も多いはずだ。PCの黎明期から成長期を支えたソフトウェアがひとつ消えた。

ソースネクストのロータス1-2-3のホームページより
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(文/大河原克行