少子高齢化の影響でスナック市場は微増状態に留まっており、近年は特に「ポテトチップス」を中心としたジャガイモ系スナック市場はすでに飽和状態。売り上げが大きく伸びる可能性は低い。

 そんななか、国内スナック市場のシェア約半分を占める最大手カルビーが2012年10月から全国発売しているのが、野菜チップス「ベジップス」シリーズ。同社は1972年にかっぱえびせんの姉妹品として「サッポロポテト」を、1975年に「ポテトチップス」を発売して以来、ジャガイモを使ったスナック製品の比率が増加し続けてきた。今後はジャガイモ以外の野菜を使ったスナックを強化し、新たな市場を開拓する考え。ベジップスはそうした方針のもとに誕生した商品のひとつだ。

 全国発売の初年度となる2012年度は「玉ねぎ かぼちゃ じゃがいも」「さつまいもとかぼちゃ」の2種類で32億円も売り上げた。さらにシリーズ3品目となる「ベジップス さといも にんじん ごぼう」を2013年6月17日に近畿エリア限定で先行発売することを発表。2014年度には3品の全国展開、2015年度は4品の全国展開を目標にしており、「2013年度の売り上げ目標は43億円だが、近い将来100億円を超えるブランドに育てたい」(カルビーマーケティング本部の柚木英明氏)という。

 なぜベジップスがそれほど売れているのか。カルビーがベジップスの購入者属性と購入理由を調べたところ、ほかのスナック菓子と明らかに異なる傾向があることが分かったという。

2012年から全国発売の「ベジップス 玉ねぎ かぼちゃ じゃがいも」「ベジップス さつまいもとかぼちゃ」(各148円)
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2013年6月から近畿エリア限定で先行発売される「ベジップス さといも にんじん ごぼう」(希望小売価格150円前後)。ニンジンの甘みとふんわり感、ゴボウの風味と食べ応え、サトイモの素材のおいしさとホクホク感が1袋で味わえるという
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現在、カルビーのスナック製品売り上げの約6割をじゃがいも関連商品が占めている状態だ
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ベジップスの売り上げ推移。2010年に近畿地方での限定発売でスタートし、2011年度には13億円、全国発売を開始した2012年度には32億円を記録している。2012年11月には売れすぎたために一時的に販売を休止する事態に陥ったほど
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40~60代女性の購入比率が高い!?

 一般的にスナック菓子購入者の男女比率は半々くらいだが、ベジップスは約75%が女性。購入者属性を見ると、40代から60代の比率が非常に高い。

 その理由は購入理由を見ると分かる。一番多いのが「おいしそうだから」で、これはほかのスナック菓子も同じだが、2~4位は「素材の味が楽しめそうだから」「野菜をとれるから」「体によさそうだから」。ほかのスナック菓子でこうした理由が上位になることはまずないという。「野菜好き」「素材重視」「健康に関心が高い」層がベジップスを選択していると考えると、40~60代女性が多いことがうなずける。ではなぜ、こうした層がベジップスを選ぶのか。

購入属性データを見ると75%が女性で、40~60代が突出して多い
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ベジップスの購入理由。ほかのスナック菓子で2~4位のような理由が挙がることはまずないという
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