この記事は「日経トレンディ2013年6月号(5月2日発売)」から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 イラストレーターのみうらじゅん氏が提唱した「ゆるキャラ」。2006年に誕生した「ひこにゃん」からブームが始まった。最近は年間293億円を稼ぐ「くまモン」を筆頭に、「地元のイベントぐらいしか出番がなかったゆるキャラの露出が飛躍的に増えた」(電通のソーシャル・ソリューション局の榑松正記氏)。きっかけは11年に始まった人気投票イベント「ゆるキャラグランプリ」だ。

 スーパースターになった「くまモン」 積極的な県外プロモーションの先駆け
 10年に九州新幹線のPRキャラとして生まれた「くまモン」。関西方面から観光客を呼び込もうと、ツイッターで「くまモンが大阪で失踪した」と架空の事件を演出した。マイケル・ジャクソンの追悼イベントで披露したダンスなど、キレのある動きもファンの心をつかんだ。ライセンスを積極的に拡大したこともヒットにつながった。県の内外を問わず、熊本県のPRになるなら商業利用でも使用料は取らない。12年度の許諾件数は約1万件に上る。

 ゆるキャラグランプリ実行委員会が組織された12年には参加キャラ数が前年比2.5倍の865、投票総数は659万票に上った。最近のブームの牽引役は「非公認キャラ」だ。自治体が地域活性化のために企画した公式キャラが多いなか、民間から生まれた新勢力だ。12年にグランプリとなった「バリィさん」は愛媛県の伊予観光大使という肩書を持つが、もともと企画したのは第一印刷という愛媛県今治市の印刷会社。8位の「やなな」も非公認で、3月末に引退会見を開いて話題を集めた。

 「ゆるキャラグランプリ」が登竜門 ヒットキャラを相次いで輩出する
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「バリィさん」は今治地方観光協会がホームページ制作などを第一印刷に依頼したときに生まれたキャラクター
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