フィギュアスケートが日本でメジャースポーツになってから、もう10シーズン弱になるだろうか。冬になればスポーツニュースや試合中継でよく目にするスポーツ。そのため、世界トップ選手だったら顔と名前が一致する人も多いだろう。

 今回は、2013年3月13日(日本時間14日)から始まった世界選手権(カナダ・ロンドン)の、ちょっと新しい見方を提示したい。

プログラムに注目してみる

 浅田真央ならトリプルアクセル、男子なら4回転ジャンプ……とはちょっと違う見方。例えば、プログラムに注目するのも面白い。フィギュアスケートでは、男女ともショートプログラムは2分50秒以内、フリーは男子は4分30秒プラスマイナス10秒、女子は4分プラスマイナス10秒と決められている。その中で、選手によっては、使用曲のストーリー上の主人公を演じたり、音楽そのものを表現したりする。ひとこと「『ロミオとジュリエット』を滑る」といっても、それが、オリヴィア・ハッセー主演の映画のサントラか、ディカプリオ主演の方か、またはチャイコフスキーの曲なのかわからない。ときには、それらの曲を1つのプログラムで使ってしまう選手もいる。

ショートプログラム『I Got Rhythm』で明るい演技を見せる浅田真央(写真/浅倉恵子)
[画像のクリックで拡大表示]

 まず、今季の主要選手の使用曲と振付師を一覧にしてみた。

<主要選手の今季のプログラム>
ショートプログラム(振付師) フリー(振付師)
浅田真央 I Got Rhythm(ローリー・ニコル) 白鳥の湖(タチアナ・タラソワ)
鈴木明子 『キル・ビル』のサントラ(アンジェリカ・クリロワ) シルク・ドゥ・ソレイユ「O」(パスカーレ・カメレンゴ)
村上佳菜子 Prayer for Taylor(マリナ・ズエワ) オブリビオンほか〔ピアソラの曲〕(パスカーレ・カメレンゴ)
カロリーナ・コストナー(イタリア) 『ヤング・フランケンシュタイン』サントラほか(ローリー・ニコル) ボレロ(ローリー・ニコル)
アシュリー・ワグナー(米国) レッド・バイオリン(フィリップ・ミルス) サムソンとデリラ(フィリップ・ミルス)
キム・ヨナ(韓国) 『Kiss of the Vampire』サントラ(デイヴィッド・ウィルソン) レ・ミゼラブル(デイヴィッド・ウィルソン)
アデリーナ・ソトニコワ(ロシア) スペイン奇想曲(タチアナ・タラソワほか) 『バーレスク』サントラ(タチアナ・タラソワほか)
エリザベータ・トクタミシェワ(ロシア) アディオス・ノニーノ(デイヴィッド・ウィルソン) 黒い瞳(デイヴィッド・ウィルソン)
高橋大輔 月光(ニコライ・モロゾフ) 道化師(シェイ=リーン・ボーン)
羽生結弦 パリの散歩道(ジェフリー・バトル) ノートルダム・ド・パリ(デイヴィッド・ウィルソン)
無良崇人 マラゲーニャ(阿部奈々美) Shogun(トム・ディクソン)
パトリック・チャン(カナダ) エレジー(ジェフリー・バトル) ラ・ボエーム(デイヴィッド・ウィルソン)
ハヴィエル・フェルナンデス(スペイン) 『マスク・オブ・ゾロ』サントラ(デイヴィッド・ウィルソン) チャーリー・チャップリン・メドレー(デイヴィッド・ウィルソン)
フロラン・アモディオ(フランス) メモリーズ・オブ・ソブラル(ニコライ・モロゾフ) ジャンピング・ジャックほか(ニコライ・モロゾフ)
ミハル・ブジェジナ(チェコ) In the Hall of the Mountain King(デイヴィッド・ウィルソン) 『アンタッチャブル』サントラ(デイヴィッド・ウィルソン)
ケヴィン・レイノルズ(カナダ) チャンバーメイド・スイング(シェイ=リーン・ボーン) ピアノ協奏曲第四番〔マテュー〕(宮本賢二)

 ざっと見ただけでも、何度も出てくる名前に気づくだろう。デイヴィッド・ウィルソン、パスカーレ・カメレンゴ、タチアナ・タラソワ、ローリー・ニコル、などがその筆頭だ。数年前までトップ選手だったジェフリー・バトル(カナダ)もおしゃれな振り付けを手がけることで名を上げ始めている。