回転寿司チェーンなのに、おなじみの回転レーンがなく、“回らない”。そんな新型店舗が都内で続々オープンしている。「日経トレンディ」4月号(3月4日発売)の特集「激変 回転寿司ウォーズ」では、驚くほど進化している回転寿司チェーンの舞台裏に迫った。その一端を紹介しよう。

 外食不況のなかで数少ない成長ジャンルの一つが、105円均一の回転寿司チェーンだ。「スシロー」「かっぱ寿司」「くら寿司」の“3強”の売上高は、この10年余りで4倍以上、店舗数は1000店を超えた。週末ともなると、多くの店が家族連れでごった返す。

 これに対し、数百円の高級ネタも出すグルメ系回転寿司や、105円均一の中堅チェーンは、生き残りを賭けて新業態を展開。回転寿司業界は今、かつてない激変期に突入している。

 例えば、グルメ系回転寿司「がってん寿司」を展開するアールディーシーが手がける「承知の助」は、がってん寿司を超える客単価のハイクラス店。2月にオープンした多摩境店は従来の回転レーンを初めて廃した実験店だ。この店では作り置きの寿司は回っておらず、客がタッチパネルで注文したメニューがその都度、お膳に載って各座席に「特急レーン」で自動的に配送される仕組み。4~6人掛けの個室感のあるボックスシートが中心で、完全個室の宴会用スペースもある。

 アールディーシーの丸山晃常務は、「105円均一という切り口では満足できない層に対して、より優雅な空間で少し贅沢な寿司を食べてもらう提案。105円均一はヤングファミリーやカップルが客層の中心だが、承知の助では熟年層や主婦のママ会などをターゲットにしていく」と話す。店内では職人が目の前で握るカウンター席も用意され、一般の寿司店のように個別注文ができるなど、これまでの回転寿司とは明らかに異なる雰囲気だ。

お膳メニューのハイクラス店
アールディーシーが2月に出した「承知の助 多摩境店」はお膳メニューを運ぶ特急レーンを備えた新型店
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職人が目の前で握るカウンター席も用意
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