住宅や自動車を買う場合は負担軽減措置の内容を注視

 では、今回の消費税増税に伴う需要の変化はどうなりそうか。

 駆け込み需要が本格化すると製品や住宅の価格が下がりにくく、値下げ交渉も難しくなることが考えられるため、増税実施のタイミングは一つのチェックポイントとなる。この点で留意が必要なのは、14年4月からの消費税増税がまだ確定していないことだ。

 社会保障と税の一体改革関連法は「景気弾力条項」を設けており、「消費税率の引き上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施する」としている。

 経済状況については「名目経済成長率3%程度、かつ実質経済成長率2%程度」を目指し、実際に14年4月に消費税を上げるかどうかは今年の秋に判断することになっているのだ。

 第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣氏は、「今年4~6月のGDP(国内総生産)の動向がカギになるだろう。成長率が2%を下回れば消費税増税がいったん見送りとなる可能性もある。一方で引き上げが確定すれば、その後に駆け込み需要が一気に増えるのではないか」とみる。

 駆け込み需要の規模については、97年の消費税増税のときほど大きくならない可能性がある。近年のエコポイントやエコカー補助金などですでに需要を先食いしているうえ、「平均賃金が下がってデフレから脱却できていない現状では、駆け込み購入も限られる。また、消費税率引き上げを2段階にしたことで、駆け込み需要の“山”が2つでき、それぞれの規模は小さくなると考えられる」と永濱氏は言う。

 住宅や自動車については、消費税増税に伴う負担軽減措置の内容も大きく影響しそうだ。

 「不動産業界としては、反動が伴う駆け込み需要は起きてほしくない。政府・与党には、消費税増税後も住宅取得に関する税負担を増やさないよう要望している」(不動産協会)。ニッセイ基礎研究所の篠原二三夫氏は、「97年の消費税増税時は、需要の急激な変動に伴う設備や人員の調整でメーカーや住宅関連業者に大きな負担がかかった。同じ轍を踏み、市場を乱さぬように対策は必須」と指摘する。

 住宅業界の要望や識者の指摘を受け、13年度税制改正では、13年末で期限切れとなる住宅ローン減税の延長・拡充などが盛り込まれる見込みだ。

 日本自動車工業会も、消費税増税に関連して自動車取得税と自動車重量税の撤廃を訴えている。3党合意では取得税と重量税に関して「消費税率8%への引き上げ時までに見直しについて結論を得る」としており、撤廃も含めて検討される。

 「軽減措置の大きさによっては、増税後のほうが支払額が小さくなる可能性もあり、駆け込み需要とその反動はある程度抑えられるだろう」と日本経済研究センターの田原健吾氏はみる。

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