「うどん県」の2番手で得した「おしい! 広島県」

 盛り上がる香川県に続き、広島県が12年3月に始めたのが、「おしい! 広島県」キャンペーンだ。「生産量日本一なのに、全国的には知られていない…。広島レモン」「日本ではなく、世界で先に評価された…。熊野化粧筆」など、一見自虐的だが、実は自信たっぷりのコピーが並ぶ。

 うどん県のように記者会見風の演出で始まるネット動画には、旬のお笑い芸人の有吉弘行を起用し、特設サイトのアクセス数は12日間で実に100万件を超えた。「結果的に後追いになって本当に『おしい!』が、うどん県がメディアに出るたびに広島県も話題に上るので、2番手でも得をしている」と、広島県庁の特別職に就く樫野孝人チーフマーケティングオフィサー。

 事実、おしい! 広島県キャンペーンは、かなりの経済効果をたたき出している。例えば、県産レモンをカゴメがジュースに採用して740tを出荷。広島産カキはローソンがカキフライに使って約150t、ワタミが「おしい! 広島カキ」をメニュー化して65トンを仕入れた。

 また、「一発屋で終わらない」(樫野氏)ための仕掛けも矢継ぎ早に展開。三原タコのPRに「明石タコ」で有名な兵庫県明石市を巻き込んだり、広島県で人気のゆるキャラ「ブンカッキー」とくまモンを相撲対決させたりと、毎月のように話題をさらった。

 2012年9月からは、秋の行楽シーズン向けに県庁職員で構成する架空の部署「全力歓迎課!」を期間限定で設置。12人の男性メンバーが牡蠣旬(かき・しゅん)、好焼篦男(このみやき・へらお)など、特産や観光地にちなんだあだ名の名刺を持ち、関連イベントでアピールした。イベントは名刺をコンプリートしたいファンなどで盛り上がり、メディア出演は首都圏などで68回、広告効果が約3億2000万円に上ったという。樫野氏は、「これまでの、ただ県が音頭を取るだけの観光施策では真剣さが伝わらない。次は広島県に実際に来て楽しんでもらうため、例えばレディース全力歓迎課!を立ち上げるなど、もてなしを強化したい」と話す。

 「おしい! 広島県」
[画像のクリックで拡大表示]

 「おしいは、おいしいの、一歩手前。」というのが根底にあるメッセージ。自虐的なコピーで注目を集めて、おいしい県産品を食べてもらう狙いだ。県産カキの他、「三原タコ」もワタミがメニューに加え、2日で完売するほどの人気に。

「おしい!ぼり」と、ダジャレが書かれた広島県のノベルティーグッズのおしぼり
[画像のクリックで拡大表示]
●飲食店が独自の“おしい!メニュー”を考案
夏のキャンペーンで県内の飲食店に配られたポスター。空欄に独自のメニューを書き込み、アピールをする飲食店が多かった
[画像のクリックで拡大表示]
●県庁職員をキャラクター化
昨年9月に立ち上がった架空部署「全力歓迎課!」は県庁職員の有志がメンバー。面白いあだ名の名刺を配った他、PR動画ではパラパラ風のダンスを披露する
[画像のクリックで拡大表示]