年賀状作成シーズンを前に喪中はがきが舞い込むようになると、思いがけない訃報を喪中はがきで知り、ショックを受ける人も多いのではないだろうか。お香メーカーの日本香堂が40歳以上を対象に2009年に行った調査によると、「ご縁ある方の逝去を喪中はがきで初めて知った」経験がある人は全体の約8割(78%)。60代以上では実に86%にも上っている。その背景には近年の葬儀の簡略化傾向や、長寿化が進んで退職から時間が経ち、社会との関係が希薄になってから亡くなる場合が多いことも影響しているという。
喪中はがきで親しかった人の訃報を知った場合、どうしたらよいか。一般的な冠婚葬祭のマナー本などでは「お正月の松が明けてから寒中見舞いを出す」と記されている。しかし、訃報に接して1カ月以上も経ってからお悔やみのはがきを出すことに違和感を持つ人も多いだろう。
実はこのマナー、葬儀に参列する人が多かった時代のもの。はがきを受け取ったときには亡くなったことをすでに知っているという前提で成り立っている。喪中はがきは単に「賀状での挨拶を控える」ことのお知らせであり、念押しのような意味で送っていたものだった。しかし小規模の葬儀が一般化し、亡くなったことを喪中はがきで初めて知る人が増えている現代の事情には合っていないのだ。
そんななか、慶弔の電報サービスを提供するヒューモニーが提案しているのが、線香付き電報「香電」(商品名は「大輪」)を中心とした弔電商品を利用する方法。「大輪」は日本香堂の線香をギフトとして添え、300文字までのメッセージを弔電として送ることができる。