iOS機器以外にもMacBook Airで使えることを確認

 harman/kardon BTが対応する再生側の機器は「apt-X対応機器や、iOS4.3.1以降のiPhoneやiPad、iPod Touch」とメーカー側では言っている。それ以外の機器は、従来通りSBCコーデックでの接続になる。

 では「apt-X対応機」とは何なのか? 実はapt-Xへの対応をカタログでうたっているのは、クリエイティブメディアのタブレット端末「ZiiO 10」など、ごく一部の端末しかない。ただ、公式なアナウンスはないものの、現在のMacOS X対応機は、すでにapt-Xに対応しているという。そこで手持ちのハードで試してみることにした。

 harman/kardon BT自身では接続するコーデックを選べない。apt-X、AAC、SBCの各コーデックはペアリング時に自動選択される仕組み。選択されたコーデックが何かは、ヘッドホン側のLEDの明滅回数で示される。apt-Xで接続した場合は4回、AACコーデックで接続した場合は3回明滅することになっている。

ハウジング下部の「BT」ボタンでペアリングモードに。接続するとLEDの点灯が赤から青へ変化し、その明滅回数で接続したコーデックを示す
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 まずiPhone 4(iOS5.1.1)と初代iPad(iOS5.1.1)でペアリングに成功。いずれもharman/kardon BTの「BT」ボタンの明滅回数は3回。つまりAACコーデックで接続しているらしい。

 そして、手持ちのMacBook Air(11インチ/2011/OS X v10.7.4)でもペアリング成功。こちらは「BT」ボタンの明滅は4回。すなわちapt-Xで接続しているらしい。ただし、現時点でapt-Xでの接続をメーカー側が保証するものではない。

ワイヤレスでも音質は有線とほぼ変わらず

 そして注目のワイヤレス接続時の音質である。まずapt-X、AACのいずれで接続された場合も、従来のBluetoothで聴かれたモジュレーションノイズのようなものがまったくない。音声信号を増幅する関係上、どうしても発生する程度の、ごくわずかなホワイトノイズが聴こえるだけだ。

 これまでBluetoothのヘッドホンはノイズが大きく、それが環境音にマスクされて気にならないモバイル用途だけと考えられてきた。しかし、これなら音質にこだわる人でも、静かな自宅で問題なく使えるはずだ。ケーブルが絡まないというのは、室内においても圧倒的に快適だ。

 高域のロスも、はっきりそれと分かるほどには感じられない。AACコーデックで接続されたiOS機器の場合でも、体感できるほどの遅延は確認できなかった。MacBook Airとapt-Xコーデックで接続した場合は、YouTubeの動画などを再生している際に、ごくまれに「プチッ」というノイズは入るが、iOS機器との組み合わせでは、そうした問題は起きなかった。

 機器間の相性など、もう少し長い間使ってみなければ分からない事もあるが、第一印象としては、これからBluetoothオーディオの主流はこちらに移ってくるのではないかと感じた。少なくとも「有線より便利なのだから無線の音質は我慢」という時代はもう終わったと思う。

 問題はBluetoothに対する先入観である。今まで築かれた負のイメージを払拭し、いかに音質を訴求してワイアレスオーディオへシフトしていけるか。新市場を開拓する製品という意味でも、harman/Kardon BTは興味深い製品である。

ワイヤレスとして使う場合は充電が必要。電源は内蔵リチウムイオンバッテリー。充電はPCのバスパワーを利用し、付属のUSBケーブルを使う
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(文/四本淑三)