今年のカンヌ映画祭では、邦画作品の目立った活躍がなく、存在感の薄さを印象付けた。どうすればそれを改善し、邦画人気を復活させることができるのか。その鍵を握るのは、海外共同製作とデジタルリマスターにあるかもしれない。

コンペでは影が薄かった邦画作品

 5月17~28日、世界最大の映画祭であるカンヌ映画祭が今年も華やかに開催された。本年度は史上最多数の邦画がこの権威ある映画祭にエントリーしたが、残念ながらコンペに入ったのはアッバス・キロスタミ監督の『Like Someone In Love』のみ。ただ、去年『一命』がコンペ入りして世界な人気を印象付けた三池崇史監督の新作『愛と誠』が上映され、上質なエンターテインメント作品として反響を呼んだ。

 また、若松孝二監督の新作『11.25自決の日、三島由紀夫と若者たち』が「ある視点部門」で上映された。カンヌは41年ぶりという若松監督。赤軍をテーマにした『実録・赤軍あさま山荘への動程』がベルリン映画祭で国際芸術評論連盟賞を受賞した経歴もあり、親日派フランスをはじめ外国の媒体からの取材が殺到した。

 しかしながら、日本は米国に次ぐ大映画市場であるにもかかわらず、現在の世界市場に与える衝撃も、また映画祭に象徴される映画文化における存在も小さい。この世界映画の檜舞台における日本の存在感の薄さをいかに改善し、復活させるかは大きな課題と言えるだろう。

日仏共同制作『Like Someone In Love』は2013年日本公開予定。(c)ユーロスペース
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前作『一命』とはジャンルも作法も異なる作品となった『愛と誠』。(c)角川映画
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現代日本史に大きな波紋を投げかけた三島事件をテーマにした『11.25自決の日、三島由紀夫と若者たち』。(c)若松プロダクション
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レッドカーペットに立った若松監督、井浦新、満島真之介。(c)若松プロダクション
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