NTTドコモがスマートフォン向けポータルサイト「dメニュー」とコンテンツマーケット「dマーケット」を開始して四半期が経過した(関連記事)。フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進みつつある中、同社がiモードで築いたコンテンツの課金マーケットはスマートフォンではどのような状況になっているのだろうか。同社のスマートコミュニケ―ションサービス部 ネットサービス企画担当課長の渡辺 英樹氏に聞いた。

――dマーケットの現状は。

NTTドコモ スマートコミュニケ―ションサービス部 ネットサービス企画担当課長 渡辺 英樹氏

 「ドコモマーケット」(後に名称はdマーケットに統一)から含めると、NTTドコモ独自のコンテンツマーケットは開始から約1年が経過した。iモード機とスマートフォンの両方を合わせたdマーケットの年間売り上げは約100億円規模になる。iモード側は現在でも対前月比で10%から20%と少しずつ伸びている。

 iモード機の絶対数が減ったといってもその母数は大きく、今でも約4300万のiモードユーザーがいる。初めてサイトに来る方もまだ多い。iモードユーザーが2000万近くに減るまで、iモード側の売り上げはそれほど大きくは落ちないだろう。

 スマートフォンが加わることによって、dマーケットの売り上げは大きく伸びている。iモード機だけだと60億円規模だが、スマートフォンが加わることで、プラスして約40億円増えている。

――dマーケットを利用しているユーザーの傾向は?

 dマーケットを利用しているスマートフォンユーザーは20代が中心。iモード機でdマーケットを利用しているのは30代が中心で、両者はあまり重なっていない。若い人たちがスマートフォンに買い替えて、dマーケットを利用しているといった傾向が出ている。

 一方で、iモード側のdマーケットの月間ユニークユーザー数は、対象ストア合計で640万近い。今後こうしたユーザーがスマートフォンに移行していくとはいえ、iモードに向けても同じ価値を提供していく姿勢は変わらない。

 性別で言えば、特に女性ユーザーが増えている。これまではマーケット利用者の3分の1が女性だったが、現在は半分が女性になっている。特に20代が増えている。

 2011-2012年冬春モデル以降のスマートフォン(新スマホ)は、ホーム画面にdマーケットとdメニューのアイコンをプリセットしている。実際、どれだけアイコンをクリックしてもらえているかというと、新スマホでは8割のユーザーがアイコンを押してくれている。導線が計画通りうまくいっていると言える。

――個別の各マーケットごとの状況を教えてほしい。

 dマーケットの中で、スマートフォンに限ると好調なのが「VIDEOストア」だ。現時点で会員数が約70万人になった。月額525円のサイトで70万人という数は、スマートフォン向けの個別商材ではかなり多いと認識している。5月のゴールデンウィーク前には100万人に到達しそうだ。

 人気コンテンツを見ると、やはり女性向けが多い。アクティブユーザーも女性が中心だ。見方としては、ダウンロードをしてしっかり視聴するというより、ストリーミングで見るというニーズが高い。ライトユーザーが中心だ。

 実際にコンテンツを閲覧できるまでのハードルが低い点も、他のビデオ配信サービスなどとの違いだと思っている。そもそもIDとパスワードの両方を入力するといった手間が不要。spモードパスワードだけで見ることができるため、エントリーバリアは低い。スマートフォンユーザーのspモード契約率は9割近く、ライトユーザーが契約しやすい。

 「MUSICストア」もライトユーザーの比率が高い。その顕著な例として挙げられるのが、「着うた」が売れていること。スマートフォンの場合、販売の主力はシングルやアルバムのダウンロードに移るのではないかと思っていたが、実際に売れているのは着うた。スマートフォンに移行したユーザーが、これまで慣れ親しんだ着うたを買い、それを着信設定するといった動きをしている。

 BOOKストアの傾向もほぼ同じで、女性ユーザーのアクティブ率が高い。特徴は、客単価がほかのマーケットより高いこと。上位20%のユーザーが非常に活用しており、平均すると約2000円になる。分野としてはコミックが売れている。