浅草、そして日光・鬼怒川も

 東武では「日光、浅草、スカイツリー」というキャッチフレーズをつけたイメージポスターを作成した。

 「スカイツリーは、かつて経験したことのないほどブランドイメージの高い“貴重な資源”。スカイツリーの観光客を、沿線全体への利用へと結びつけるかが課題」(吉田氏)となる。

東武鉄道では、日光、浅草、スカイツリーをセットでPRする
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 日本を代表する観光地の日光・鬼怒川は、東武沿線にある。かつての東武鉄道浅草駅は、日光や鬼怒川などへ訪れる人でにぎわいを見せていた。しかしバブル崩壊頃から日光や鬼怒川への旅行者は減少している。特に団体旅行が減り、マイカー利用の個人客が中心となった。また、押上から半蔵門線への乗り入れも始まったこともあり、浅草駅の利用者は激減。1991年度の1日平均の乗降人員は11万247人だったが、2010年度の1日平均の乗降人員は5万8012人と半減の状態だ。

 スカイツリーの効果で浅草駅の利用者は確実に増加すると予想される。しかし、浅草駅ととうきょうスカイツリー駅はわずか一駅で、初乗り料金の140円しかかからない。鉄道事業の回復には、特急列車を利用する日光・鬼怒川まで誘導する必要があるのだ。

 日光・鬼怒川への観光客を増やすため、東武鉄道では浅草駅を発着する特急列車の一部をとうきょうスカイツリー駅に停車させるようにダイヤ変更した。また、グループ会社の東武トラベルは、スカイツリーの入場券と日光・鬼怒川での宿泊がセットになった旅行商品の販売に力を入れる。

 先のポスターでは外国人や若者のモデルが起用されている。浅草へ訪れる外国からの観光客は多い。「海外での観光プロモーションにも参加している。浅草とスカイツリーを訪れる外国人観光客も、日光へと誘導したい」(吉田氏)。また、若者にとっては、日光や鬼怒川は“修学旅行で行った場所”。スカイツリーをきっかけに、高齢者の旅行先というイメージを払拭しようと躍起だ。

とうきょうスカイツリー駅では海外からの観光客も多い
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