「新世界」を知らない若者にアピール

 その後、通天閣はユニークなPR作戦で通天閣の良さを発信していった。特に、大阪市外の人や若者など新世界を知らない層にアプローチし、来街のきっかけづくりに力を入れた。第1弾として、東京で開催された「大・大阪博覧会」に、ビリケンさんを文化観光交流大使として派遣。仰々しくリムジンと飛行機に乗せて移動するシーンが全国ニュースで取り上げられた。

 6~7年前に火が付いた串カツブームもそのひとつ。新世界以外の飲食店が空き店舗を活用して串カツ店を相次ぎ出店。地元の名店とともに新世界を盛り上げ、串カツの聖地として全国的に知られるようになった。同時に通天閣の入場者数も年々増加。2007年に100万人を突破し、昨年は120万人を超えた。100周年を迎える今年は150万人超えをめざしている。

 「梅田、難波、天王寺は町がどんどん整備され、本当の大阪らしさが失われつつある。そのなかで新世界は大阪らしさが残る町としてクローズアップされるようになった。通天閣も、高さでは東京のスカイツリーにかなわないが、100周年を機に地域と力を合わせてもっと盛り上げていきたい」と、通天閣観光の高井副社長。

 2014年春には、近鉄大阪阿部野橋駅の上に建設中の超高層ビル「あべのハルカス」が開業するほか、翌2015年には、新世界と隣接する天王寺動物園が開業100周年を迎える。新世界のにぎわいが阿倍野・天王寺、さらには難波へと波及し、大阪全体の活気につながることが期待されている。

串カツブームの火付け役となった老舗の串カツ店「だるま」
[画像のクリックで拡大表示]
2011年の「なにわの日」(7月28日)に運行開始した、新世界と難波を結ぶ無料の観光送迎バス。新世界串かつ振興会が集客策の一環として始めた
[画像のクリックで拡大表示]