トレンド・フォーカス

生みの親が語る「ケータイ絵文字」14年の軌跡と新たな一歩

2012年05月25日

ドコモの絵文字が増えたのは一度だけ

 当初はモノクロだった絵文字も、液晶のカラー化に伴ってカラー化。さらに2002年には「拡張絵文字」と呼ばれる75種類が新たに追加され、現在に至る。「iアプリ」のアイコンや、今でもなじみ深い「ペンギン」「ひよこ」などは拡張絵文字で追加されたものだ。

ドコモが一度だけ追加した絵文字である「拡張絵文字」の例。ひよこ、ペンギン、ブタなど今でも人気の絵文字が多く含まれる。気持ちを伝えるコミュニケーション手段としての用途を重視していたので、表情に関する絵文字が多数追加されている
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 ドコモの絵文字の数が増えたのは、実はこの1回だけ。2003年には「デコメ絵文字」機能がスタートし、メーカーやコンテンツプロバイダーが自由に絵文字を追加できるようになったことも原因だろう。だが一方で、各社には絵文字の数を競い合う動きがあったことも事実だ。実際、auの絵文字は2003年には600種類以上にまで増えている。なぜドコモは絵文字を増やさなかったのか。

 その理由を、栗田氏は「あくまで文字だから」と解説する。「デコメのようなものが出てきて流行るだろうな、という読みは当初からあった。複雑な装飾は、デコメのような別の仕組みに任せればいい。シンプルで、好き嫌いなく、気軽に使えることが絵文字の良さだと信じて、無駄に増やすことはしなかった」(栗田氏)。

 今回、auがドコモの絵文字への統一を決めたのも、まさにここが大きな理由だ。「装飾を施す」という役割はデコメ絵文字など他の仕組みに任せ、絵文字は「手軽に感情を付加できる文字の一種」という役割に徹するべきではないか。コミュニケーションを円滑にする、という絵文字の本来の目的を考えれば、キャリアそれぞれが独自に数を増やすよりも、ユーザー数が多くシンプルなドコモの絵文字に統一するほうが理にかなっている。各社が可愛さを競い合うよりも、キャリアをまたいで正しく送れることのほうが重要ではないか――。当たり前といえば当たり前の判断が、今回の「統一」という判断につながった。そして、栗田氏に再び監修者として白羽の矢が立ったのだ。

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