カップヌードルにも当てはまる「AKB」理論

 今回のベスト30に入った商品・サービスは、どれも歴史の長さにあぐらをかかずに消費者を「飽きさせない(A)」努力を続け、他と「かぶらない(K)」独特のポジションを現在でも維持している。そして重要なのが、ブランド本来の価値が「ブレない(B)」ことだった。

 例えば、不動の定番商品「カップヌードル」(日清食品)が、その好例。昨年は発売40周年を迎え、「歴代カップヌードル復活総選挙」を仕掛けるなど、大きな話題を作った。今年はまさに4月からAKB48を起用した大型キャンペーンを展開。また、レギュラーのカップヌードルは、コカ・コーラのように唯一無二の「カップヌードル味」として認知されている。そして約40年間、レギュラーの味はほとんど変わっていない半面、「コロ・チャー」など具材は豪華にするなど、基本を一切ブラさずに進化してきている。

 他にも、「味ぽん」(ミツカン)から「プリウス」(トヨタ自動車)、「仮面ライダー」(東映他)、「ウォシュレット」(TOTO)まで、 カップヌードルと同じように“AKB理論”が当てはまるロングセラー商品は実に多い。

 これらの商品・サービスは、次の10年をどう生き残ろうとしているのか。「日経トレンディ」5月号では、ベスト30の詳細と各商品・サービスの戦略を明らかにした。「AKB」理論に当てはめて読み解くことで、ロングセラーの「次の一手」が見えてくる。

■掲載した主なロングセラー商品・サービス
商品・サービス名
(企業名)
発売年 次の10年への布石
味ぽん(ミツカン)
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1964年 鍋専用のつけダレから、刺身、焼き肉にも合う「健康万能調味料」として利用シーンを拡大してきたパイオニア。味ぽんにたっぷりの具を入れて鍋のつけだれにする「食べぽん」の訴求を続け、消費者にアレンジさせることで飽きを防ぐ狙い
プリウス(トヨタ自動車)
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1997年 21世紀に間に合いました――。あまりにも有名な、このフレーズで登場したプリウス。今年1月には電気自動車とハイブリッド車のいいとこ取りをした「プリウスPHV」を追加し、激化するエコカー競争のなかで常に先進的なイメージを保っている
リポビタンD(大正製薬)
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1962年 疲労回復用のアンプル剤を飲みやすくするという発想から生まれた、世界初のドリンク剤。受験や就職活動など「頑張るときに飲む」イメージは定着したが、今後はロックフェスなどで販促を強化し、「楽しむときに飲む」という新たな飲用シーンを開拓
仮面ライダー(東映他)
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1971年 変身ポーズを熱心にまねる男の子は、昔も今も目にする機会は多い。変身ベルトなどの関連商品も未だに飛ぶように売れている。今後は映画版などでスーパー戦隊シリーズとの違いを示し、戦隊からライダーへ視聴者の関心が自然に移るように仕掛ける
アキュビュー(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
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1991年 コンタクトレンズの不満を解消する初の使い捨てレンズとしてデビュー。95年発売の1日使い捨てタイプの登場で急激に普及した。90年代からのユーザーは老眼になる人も増えており、自然にくっきりと見える遠近両用タイプの開発を急ぐ
ポスト・イット(住友スリーエム)
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1981年 企業や役所などの法人ニーズを捉えて市場に定着してきたポスト・イット。今後は小学生が辞書に貼って使う「辞書引きふせん」や2枚のポスト・イットでメッセージを隠す「スイーツデザイン」など、子供や女性向けの商品でユーザー層を広げる
ウォークマン(ソニー)
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1979年 外で音楽を聴くという新しい生活スタイルを創り出したウォークマン。最近はスマートフォンの台頭で市場環境が厳しくなった。そこで、スマホ保有率の低い小中学・高校生にあえてターゲットを絞って販促を行う。早期の囲い込みで次につなげる戦略
ワンカップ大関(大関)
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1964年 日本酒と言えば一升瓶が当たり前の時代に、新形態を提案して大ヒット。日本酒市場が低迷するなか、次の一手としてアルコール度数が7%と低い缶タイプの清酒「コールド大関」を投入。好調な低アル飲料の棚に割り込んで、若者にもアピールする狙い

(文/勝俣哲生=日経トレンディ)


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