音声ガイド端末やシステムも進化

 欧米で最初に音声ガイドが導入された1950年代は、ラジオ短波を使ってナレーションを読み上げていたが、その後、カセットテープ、CD-ROMなどメディアの面でも進化していった(アートアンドパート談)。90年代に日本で最初に登場した音声ガイド端末は、現在も使われているイヤホンと数字のボタンが付いたものだ。一時期、PDA(携帯情報端末)も導入されたが、操作性にやや難があり、コンテンツの作り込みに時間がかかることもあって普及にはつながらなかった。

 2007年ごろには、画像も見られるマルチメディア機も登場している。この端末を採用している東大寺ミュージアムでは、目の前に展示されている仏像がお堂の中ではどう安置されているのか確認することもできる。

液晶画面付きの音声ガイド端末。キーパッドで操作するタイプとタッチパネル式があり、東大寺ミュージアムでは後者が採用されている
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 また、遊び感覚で音声誘導するガイド機もある。箱根 彫刻の森美術館に2010年から常設されているガイド機はペンタッチ式だ。手渡された会場マップの要所要所をペンでタッチすると音声が流れてくる仕組み。宝探しラリー感覚で会場を巡ることができ、子どもだけでなく大人にも人気だ。

箱根 彫刻の森美術館に常設されているペンタッチ式のガイド機。マップに印刷された目に見えないバーコードを読み取っている
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 先述した川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムでは、最新鋭の音声ガイドシステムが取り入れられている。来場者は全員に貸し出される「おはなしデンワ」と名付けられた音声ガイドには、Suicaなどでも使用されているRFID(非接触型ICタグ)が搭載されているのだ。この機能は端末の持ち帰り防止に利用されている。

 また、急速に普及しているスマートフォンを音声ガイド端末化する試みもある。「東京国立博物館 法隆寺宝物館30分ナビ」は、宝物館の展示品を動画、静止画、解説集でガイドしてくれる無料のiPhoneアプリ。これをインストールすれば、展示室で実物と向き合う鑑賞体験を手助けしてくれる。現地に行かなくても利用できるので、iPhoneユーザーの方は試してみるのもいいだろう。

 以下、ユニークな音声ガイドが楽しめる展示会をピックアップしたので、参考にしてほしい。

(文/長谷川仁美)