映画館で、音楽ライブやスポーツ、舞台などの映像を上映するODS(Other Digital Stuff=非映画コンテンツ)が活況だ。11年、映画の興行が前年比約18%減と大きく落ち込むなか、100本を超える作品が公開。コアなファンがいる作品を、館数を絞り期間限定で公開することで、集客力を高めている。なかでも話題となったのが、AKB48のドキュメンタリー第1弾『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued』や、庵野秀明の実写初プロデュース作で映画業界から高い評価を得た『監督失格』。これらの配給を手がけたのが、東宝「映像事業部」だった。
同事業部がODSを始めたのは09年。05年に「シネマ歌舞伎」をスタートした松竹などに比べると後発だが、10年には単館で推定興収4億円超を記録した『Mr.Children/Split the Difference』、それを上回る興収4.5億円を叩き出した前述のAKB48など、短期間にヒットを連発している。
もともとは、映画館でのパンフレットやグッズ販売、DVDなどのパッケージ販売を手がけてきた東宝の一部門。どのような経緯でODSを始めたのか。
公開年 | 公開本数 | 概要 |
09年 | 2本 | 『爆笑問題 with タイタンシネマライブ#0』と『しまじろうクリスマスコンサート2009』を公開。両作ともシリーズ化。 |
10年 | 7本 | 『Mr.Children/Split the Difference』が興収・物販ともに大ヒット。『TAKARAZUKA REVUE CINEMA』も2本公開。 |
11年 | 7本 | 『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』が公開、4.5億円の大ヒットに。韓流、アート系、アニメのほか、『TOKYO GIRLS COLLECTION 2011 3D THE MOVIE』などジャンルが拡大。 |
12年 | 4本~ | AKB48第2弾が絶好調スタート。ホラー系の『POV ~呪われたフィルム~』や、『映画 紙兎ロペ』『映画 ジュエルペット』など、挑戦的な作品が続く。 |