ターゲットは、「黒ビール好き以外」

 ドライブラックで狙うのは、黒ビールのヘビーユーザーではなく、これまで黒ビールをあまり飲んでこなかった新規ユーザー。アサヒビールの調査によると、この層は黒ビールに対して「都会的でおしゃれ」「かっこいい」「男性的」といった良いイメージを持っている半面、味については「苦い」「味が濃い」「独特の味でクセがある」と苦手意識を抱いている。

 実は、「この黒ビールのポジショニングは、ウイスキーに似ている」と、梶浦氏は言う。そのウイスキーはここ数年、炭酸やレモンで割ることで飲みやすくした「ハイボール」によって市場が活性化。酒離れが進む若い層も取り込み、ブームとなっている。「黒ビールも、ハイボールのように飲みやすくする提案があれば新たな需要を生み出せるはず。この発想をもとにドライブラックは、ゴクゴク飲めて食事との相性も良い味に仕上げた」と、梶浦氏は話す。

 ドライブラックを実際に試飲してみると、後味のキレの良さはスーパードライと同等。異なるのは、コクがやや強く感じられる点だ。スーパードライと同じ「318号酵母」を使ってキレを出しつつ、スーパードライでは使っていない黒麦芽や、ホップを増量したことでコクが増したという。アルコール度数もスーパードライが5%なのに対して、ドライブラックは5.5%と多少上がっている。確かに、ドライブラックの味は従来の黒ビールのイメージとはかけ離れていて、明らかに“スーパードライ寄り”。ドライブラックをコップに注いでホップの香りを感じながら飲むとコクの違いがわかるが、冷やしたドライブラックをコップに入れず缶で飲むと、スーパードライとの味の違いはさほど大きくなかった。

スーパードライと同じ「318号酵母」を使用。後味のキレの良さを出している
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