この記事は、日経トレンディ2012年2月号(1月4日発売)」から転載したものです。内容は発売日時点のものになります。

 電子書籍でも日本上陸の準備を進める米アマゾン。迎え撃つ日本の電子書籍端末と電子書籍配信サイト。新しい局面を迎え、情勢は急速に進展している。今年、日本でも電子書籍普及の幕が開くのか。

 「2、3年前の米国と似ている」。昨年末に電子書籍端末「リーダー」の新製品を発売したソニー。企画・コンテンツビジネス部の野村秀樹プロデューサーは、日本の電子書籍マーケットの混沌とした状態をそう例えた。

 電子書籍にビジネスチャンスありと見た当時の米国では、多くの端末や配信サイトが登場したが、「最近はその数も絞られている」と野村氏。混沌とした状態が終わり、電子書籍を読むことが定着したというのだ。

 日本の電子書籍ビジネスが急展開している。電子書籍を読めるタブレット端末が相次いで売り出され、電子書籍の配信事業者が多数誕生した。特に昨年は、出版社、書店、印刷会社、メーカーなどの協業が急速に進んだ。背景には今年にも日本市場へ参入するであろう米アマゾンの存在がある。

 アマゾンは、電子書籍端末「Kindle(キンドル)」で米国における電子書籍市場の一大勢力となっている。端末の開発から書籍の仕入れ、配信までを手掛ける垂直型のビジネスモデルが特徴だ。

機能絞り、低価格実現――液晶、速度ともに良好なアマゾン
 米アマゾンが昨年11月に投入した電子書籍端末「Kindle」の最新版。表示に初めてカラー液晶を採用し、7型タブレットとしても注目されている。機能を最小限に絞り、199ドルという価格を設定。昨年末までに390万台(予測)を売り上げ、iPadをも脅かす存在だ。本体は小ぶり。シンプルなデザインで安っぽさはない。表示は広視野角のIPS液晶により見やすい。反応もデュアルコアCPUにより良好だ。電子書籍の他、音楽、映像、ゲームなどの販売サイトにシームレスにつながり、購入したコンテンツはクラウドストレージに保存できる。日本語入力は不可。日本版の発売が待たれる。
Kindle Fire(米アマゾン)直販価格199ドル
●ディスプレイ/7型カラー液晶、1024×600ドット●サイズ・重さ/幅120×高さ190×厚さ11.4mm・413g●OS/Androidベース●内蔵ストレージ/8GB(クラウドストレージに標準対応)●通信機能/無線LAN●駆動時間/8時間●主なインターフェース/マイクロUSB端子
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アプリはクラウドストレージに収録されているものも。アンドロイドマーケットへの接続機能はない
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アマゾンで選んだ書籍が端末の書棚に並ぶ。ストアと端末がシームレスに連係しているのが特徴
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